“いかなる処分も辞しません” 菅原一秀経産相が秘書にサインさせた「ブラック誓約書」

“いかなる処分も辞しません” 菅原一秀経産相が秘書にサインさせた「ブラック誓約書」

菅原一秀経産相

「この度の改造で経済産業大臣を仰せつかりました」

 9月14日、東京都練馬区下石神井の天祖神社。

「中村梅吉さん(元法相、元衆院議長)以来、練馬から大臣が出たのは50年ぶりということでございまして」

 地元の盆踊りの会場で、有権者を前に「自慢話」を披露する菅原一秀経産相(57)。一方この頃、台風15号が千葉県に残した爪痕の深刻さが日々浮き彫りとなり、前日には東電が、電力の全面復旧は「(予定より長い)2週間かかる」と当初の説明を修正し、関係機関の初動の遅れが明らかになっていた。

 千葉県民は、電気が来なくて衣食住もままならない生活を強いられていた。対して、電力行政を司る経産相は地元の盆踊りで「大臣自慢」に勤(いそ)しんでいた……。

「菅原さんは、とにかく票集めに“熱心”。地元の新年会には何百件と顔を出します。区議が、『国会議員にそんな細かな会合まで足を運ばれると、我々の立場がない』とこぼすほどでした」(元秘書)

 いずれにせよ、盆踊りの一件は「政治家」としてではなく、地元活動に熱心な「政治屋」としての菅原氏の「能力の高さ」を物語っていると言えよう。

 そんな菅原氏に関する「疑惑」を本誌(「週刊新潮」)は報じてきた。胸倉を掴むこともあったというほど秘書に“厳しく”当たり、ミスをすると秘書に反省文を書かせる――。こうした「ブラック疑惑」を紹介してきたわけだが、今度は「ブラック誓約書」の存在が明るみに出た。菅原事務所に入る際、秘書がサインするその書類には、こう明記されていたのだ。


■〈いかなる処分も〉


〈貴事務所を通じ、誠心誠意勤め、菅原代議士を通じ、自身の自己実現に努めるものでありますが、それと離反した言動をとった時にはいかなる処分も辞しません〉

 やや日本語が分かりにくいところがあるが、ある労働問題の専門家は、

「要するに、『代議士の気に入らないことをしたら、停職でも減俸でも何でも受け入れます』と秘書に迫っているように読めます」

 と、その本質を見抜き、労働問題に詳しい川浪芳聖弁護士はこう指摘する。

「署名押印した誓約書に違反したからといって、直ちに懲戒処分や解雇が有効になるわけではありませんが、労働者に『誓約書にサインしてしまったからクビになっても仕方ないかな』と思わせる、萎縮効果はあると思います」

 当の菅原氏は、

「議員の政治活動を補佐する秘書の心構えを述べたものです」

 随分と悲愴な心構えが必要なようで……。

「週刊新潮」2019年10月17日号 掲載

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