小泉進次郎大臣が“講演”で新聞配達エピソードを披露、ポエムどころか意味不明?

小泉進次郎大臣が“講演”で新聞配達エピソードを披露、ポエムどころか意味不明?

小泉進次郎環境相

■「講演」なのに単なるトークショー!?


 共同通信(電子版)は11月17日、記事「小泉氏『セクシー発言』真意語る 『楽しく、前向きに』との思い」を配信した。YAHOO!ニュースのトピックスにも選ばれたため、ご覧になった方もいるかもしれない。まずは記事をご紹介しよう。

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《小泉進次郎環境相は17日、東京都内で講演し、9月の訪米先で「気候変動問題にセクシーに取り組む」とした発言の真意を語った。「楽しく、前向きに取り組みを進めなければいけないとの思いだった」と理解を求めた。これまでは「説明すること自体がセクシーじゃない。やぼな説明は要らない」などとして意味を語るのを避けていた》

《訪米中にステーキを食べ、畜産が地球温暖化を進めるとの見方があると記者に指摘された件にも言及。「ステーキを食べて怒られた話から、子どもたちに畜産の課題を語りたい」と述べ、環境問題を伝える題材として生かす考えを示した》

 この記事は、もちろん誤報ではない。だが、実際に講演を聴いた男性に聞くと、「私は、あの記事に微妙な違和感を覚えましたね」と本音を語る。

「講演には新聞社を中心とした番記者の人たちが駆け付けていました。主催者側が記者の皆さんに、私の記憶では『仮に大臣が失言してしまっても、優しい対応をお願いしますね』といった内容の冗談を壇上から話しかけ、場内が笑う一幕もありました。マスコミの人たちも注目していた講演だったのでしょうが、その中身は期待外れでした。私はガッカリしましたよ」

 そもそも共同通信の記事には、どういう場に招かれての講演なのかさえ、全く書かれていない。実は17日に都内の高輪プリンスホテルで「お金のEXPO 2019」というイベントが開催され、そこで小泉大臣は講演を行ったのだ。

 主催はマネーフォワード。聞き慣れない方も多いかもしれないが、事業内容としては、個人向けの資産・家計管理ツールや、法人・個人事業主向けの会計システムなどを提供している。

 代表取締役でCEOの辻庸介氏は京大農学部を卒業してソニーに入社。マネックス証券に出向した後、マネーフォワードを起業した。2012年の設立から急成長を遂げ、17年には東証マザーズに上場を果たしている。

 こんな会社が開催したイベントなのだから、会場は金融機関を中心とする協賛企業による展示ブースと、専門家のセミナーが中心だ。そしてセミナーのタイムテーブルを見ると、真面目な講演タイトルがずらずらと並ぶ。

「デジタル時代のお金との付き合い方」、「〜超低金利はいつまで続く!?〜効率的な不動産投資の【必勝術】とは!?」、「自動家計簿とライフプランアプリによる年金2,000万円不足問題への対応」――という具合だ。

 前出の男性が小泉大臣の講演を把握したのは公式サイト。セミナーのタイムテーブルが掲載されており、最後の「基調講演」として、小泉大臣の『日本らしい日本』が記載されていたのだ。

「すでにSNSなど、ネット上では講演が話題になっていました。10月25日に新閣僚の保有資産が公開されていたからです。小泉さんが『資産0円』だったのに対し、奥さんの滝川クリステルさん(42)は国債1・5億円を筆頭に、合計2・9億円の資産を保有していることが明らかになりました。小泉さんの講演は『資産ゼロの男が何を話すんだ』と冗談のネタになってしまったのです」


■最後に“ポエム”が炸裂


 この男性は小泉大臣の話を聴きたいと思い、公式サイトにアクセス。すると環境相が登壇する会場のチケットは売り切れていた。そこで同時中継を行う会場のチケットを1500円で購入したという。

「当日になって高輪プリンスホテルに行ってみると、確かに盛況でした。私が案内されたのは『サテライト会場』だったのですが、1000人単位で聴衆がぎっしりと埋まっており、小泉さんの人気にびっくりしました」

 ところが何かの手違いがあったのか、肝心の「小泉大臣が生で見られる会場」は、かなり空席が目立ったらしい。スタッフが「サテライト会場」からの移動を呼びかけたため、男性は後ろの席に座ることができた。

 小泉大臣が登壇すると、聴衆が一斉にスマートフォンをかざし、写真の撮影を始めた。ある種の熱気は感じられ、壇上の周りを複数のSPが監視しているのも、雰囲気を盛りあげるのに一役買っていたという。

「始まって驚いたのは、公式サイトには『特別講演』、タイムテーブルには『基調講演』と書いてあったので、てっきり小泉さんが1人で喋るかと思っていたのです。ところが実際はマネーフォワードの辻CEOと2人で行う“トークショー”で、雰囲気も軽いものでした。小泉さんは共同通信さんが報じたセクシーネタや、ニューヨークで記者団に『ステーキを食べたい』と言って墓穴を掘った経緯、資産公開でも『父親がバツイチだったから、妻も公開対象とは知らなかった』などと、“自虐ネタ”を連発し、会場を沸かせていました」

 だが自虐ネタの後には、必ず環境問題に対する熱い情熱を語ったという。いわば“硬軟”を使い分けながら、講演ならぬトークショーを盛りあげていったそうだ。

「このイベントは資産運用を学ぶ場です。私は『投資というイメージのない小泉さんが、どんな講演をするんだろう』という興味を持っていました。実際に聴くと、資産運用については『大臣は資産運用ができません』、『大臣を辞めたら、妻を見習って国債は買います』の2つだけでした。あとは気候変動の問題や、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)の印象など、環境の話ばかりです」(同・講演を聴いた男性)

 途中では辻CEOが機転を利かせて環境ビジネスへの投資問題について話を振り、少しは応酬が繰り広げられる場面もあったという。だが盛りあがることはなかった。

「聴いている分には、意外に面白かったです。ただ、私は1500円を払い、『基調講演』を聴こう思って訪れたわけですからね。率直に言って、羊頭狗肉の講演だったと言われても仕方ないとは思います」(同)

 小泉大臣は一時期、その発言内容が「ポエム」と揶揄されたことがあった。例えば、記者が「福島第一原発の汚染水を海洋に放出することに韓国が懸念している」と質問すると、延々と魚のノドクロの話を披露したのは有名なエピソードの1つだ。

 今回の「基調講演」でも、“進次郎ポエム”が炸裂した瞬間があったという。環境問題ばかりのトークになったことを気にしたのか、辻CEOが終盤に「小泉さんにとってお金とは何ですか?」と質問したのだ。

「すると小泉さんは、中学校3年生の時、お父さんの小泉純一郎さん(77)に『働いてみたい』と頼み、『新聞配達ならいいぞ』とOKをもらったエピソードを唐突に話し出したんです。ディテールたっぷりの回想で、とにかく話が長いわけですよ。それで終わるかと思ったら、続けて『環境大臣の仕事で疲れないのは、やりがいがあって楽しいからだ』という話も延々としていました。そして最後の最後になってようやく、『私にとってお金とは何か』という質問に答えたんです」(同)

 その回答をご紹介しよう。「お金とは何かということで言いますと、やっぱり生きる上での、自分の中での、確実に、未来に対して前向きな一歩を、少しでも小さくても、自分が関わっているという想いを持てると、ずいぶんお金の使い方が変わるんじゃないかって思いますね」

 かつての流行語「言語明瞭・意味不明瞭」の見本のようである。大丈夫か、進次郎大臣!

週刊新潮WEB取材班

2019年11月24日 掲載

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