共産党「不破哲三元議長」は90歳 最高指導部に居座るのは森の中に大豪邸があるから

共産党「不破哲三元議長」は90歳 最高指導部に居座るのは森の中に大豪邸があるから

日本共産党の不破哲三・元議長

 今月26日で90歳になる日本共産党の不破哲三・元議長。先日行われた第28回党大会では、議長を退任した2006年の党大会以来14年ぶりに演説を行った。中国の覇権主義を批判する党綱領改定案について、「不法な大国主義が現実の行動となって表れている。中国の多年の対外活動からも当然の結論だ」と指摘。党大会最終日の役員選任では、最高指導部である常任幹部会委員として再任され、党運営に影響力を残した。

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 不破氏は現在、常任幹部会委員だけでなく、幹部会委員、中央委員、党社会科学研究所所長の肩書も持つ。昨年は、新版『資本論』を刊行した。演説を行った1月15日は、党大会の会場に設けられた特設書店で、不破氏の著書『マルクス弁証法観の進化を探る』(新日本出版社)が250部すべて売り切れたという。

「不破さんが党大会で発言した時、これはまだまだ居座るなと思いました。発言することで、自らの健在ぶりをアピールすることになるわけですから」

 と解説するのは、元共産党政策委員長の筆坂秀世氏である。

「彼は、今回16年ぶりに行われた党綱領改定で、これまでの中国は社会主義をめざす国とした部分を削除することに同意しました。ですが、そもそも2004年の党綱領改定で、その文言を入れたのは不破さん自身なんです。当時、ソ連が崩壊し、社会主義をめざす国はどこだ、と議論になった時、不破さんが『中国がある』と言ったのです。さらに04年の綱領改定では、彼は中国の他に、ベネズエラのチャベス政権も新しい社会主義を作り出すとして盛り込みました。ところが、そのベネズエラはハイパーインフレを起こし、人民弾圧、人権侵害が行われたため、今回、中国と一緒に綱領から削られています。不破氏は2つの大きなミスを犯したのに、いまだに最高指導部の一人としてやっている。まあ、もうすぐ90歳になる人を辞めさせないなんて、共産党にはよほど人材がいないのでしょうか」


■死んでもしがみつく


 不破氏は89歳と高齢なことから、今回の党大会で主要な役職から退き、引退するのではないかとの予想もあった。が、本人はまったくその気がないようだ。

 長年日本共産党のトップに君臨した宮本顕治氏は、88歳で議長を退いた。この時、宮本氏に引退を勧めたのは不破氏だったという。

「当時、宮本さんは体調が悪く、党大会を欠席するほどでした。それでも議長を続けるのは、いくらなんでもおかしいという声が出て、不破さんが宮本さんの自宅に行って引導を渡したのです。不破さんが『そろそろ、身を引いてください』と言うと、宮本さんは、『僕はなにか、間違いを犯したのか』と聞き返したそうです。不破さんは、そうではなくて、ご高齢ですからと説得していました。宮本さんは、まだ引退したくなかったようですが、結局、彼に押し切られた形でしたね」(同)

 宮本氏は議長を退いて名誉議長になった。それを考えると、不破氏も最高指導部から身を引くべきという声が出るのも当然であろう。

 「不破さんは賢い人ですから、議長は辞めている、常任幹部会委員として残っていてもいいじゃないか、という理屈を立てているんです」(同)

 今回の党大会で、常任幹部会委員は26人が選出されている。それにしても、なぜこのポストにこだわるのか。

「不破氏は、神奈川の津久井町の山の中に家を構えています。場所柄、完全引退すると生活ができなくなるからです」(同)

 不破氏の自宅は、別荘地としても知られる津久井の山中にあり、敷地は3265平米(約988坪)。敷地内には4棟の建物がある大豪邸だ。門から屋敷までは車で森の中を走るという。

「不破さんは、共産党本部まで党の車で通っています。党本部の食堂の料理人も自宅に常駐しているんです。だから引退して、ただの一党員になってしまうと、車も料理人もなくなってしまいます。彼の妻は年上で90代ですので、毎日食事を作るのも大変でしょう。不破さん自身も出掛けることもできなくなる。だから、今の地位にしがみついているのでしょう」(同)

 公団の分譲マンションで慎ましく暮らす志位和夫委員長とは大違いである。共産党も14年前に議長を辞めた人を、いまだにここまで優遇するとは……。

「共産党綱領を読むと、中国も駄目になり、ラテンアメリカも駄目になったことが分かります。社会主義への流れはほとんど消えています。残っているのはベトナムだけですよ。かつては、資本主義から社会主義へと発展する展望を持っていましたが、今はなくなってしまいました。党大会では、常任幹部会委員に、幹部会副委員長の浜野忠夫氏が再任されていますが、彼も不破氏とかわらないくらいの高齢です。90歳近い党員を2人も最高指導部に残しておくなんて、党としてはいよいよ末期症状に来ていると言われても仕方ないでしょう」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年1月26日 掲載

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