橋本聖子五輪相のウグイス嬢疑惑「半日9千円」の苦しい言い訳

橋本聖子五輪相のウグイス嬢疑惑「半日9千円」の苦しい言い訳

橋本聖子五輪相

■橋本五輪相・高橋議員疑惑の核心 ウグイス嬢が書いた「裏領収書」(2/2)


 橋本聖子五輪相(55)、そして高橋はるみ・参議院議員(66)に浮上した、ウグイス嬢疑惑。昨年の参院選の折、法定上限の「1万5千円」を超えた1万8千円の報酬を支払い、吉田優子さん(仮名)を起用したことなどを週刊新潮が報じたものである。

 ***

 橋本陣営の収支報告書には、吉田さんの勤務として「全日」「半日」が記されている。前者は日当1万5千円が支払われている一方、後者の額は7500円ではなく、9千円。1万8千円のちょうど半分に当たる金額だ。これは関係者が証言した、高橋陣営の報酬額と一致する。

 本件を会見や国会の場で問われた橋本大臣は、高橋議員同様、

「法定以上の報酬は支払っていません」

 と否定。

 半日勤務の際の報酬「9千円」についても、

「移動なども拘束時間になることを踏まえ(日当の)5分の3を支払いました」

 と説明している。

 が、さる自民党の道議が言う。

「昨年の選挙は橋本さんから、高橋さんサイドに“一緒に選挙をやろう!”と声を掛けています。その上で、吉田さんを共有している。彼女は“かけもち”になりますから、もちろん、橋本陣営は吉田さんの扱いについて、高橋さんサイドと、綿密に打ち合わせをしていますよ」

 しからば、報酬額についても「共有」しているはず。逆に一致していない方が不自然なくらいだ。


■過剰報酬の跡


 政治アナリストの伊藤惇夫氏も言う。

「同じウグイス嬢を、同じ選挙で、協力関係にある陣営が『共有』した。直観的、常識的に考えれば、高橋さんが1万8千円支払っているのだとしたら、橋本さんも同じ額を出している、と考えますよね。片方だけ3千円少ないということがありうるのでしょうか」

 そして、

「『半日で9千円』の根拠についても、苦しい話ですよね。移動時間と言いますが、全日の場合だって、移動時間はあるじゃないですか。なぜ半日の方だけ考慮しなければいけないのか。意味がわかりません。掛け算の出来る人であれば誰でも、半日で9千円を支払っているのであれば、日当は1万8千円だったと思いますよ」

 実際、橋本陣営の収支報告書も杜撰な処理が垣間見える。例えば、選挙戦がスタートした7月4日の吉田さんへの報酬について。橋本大臣の収支報告書では、吉田さんはその日、「全日」勤務したことになり、1万5千円の日当が支払われているが、

「いや、その日、吉田さんははるみさんの陣営でも働いていましたよ」

 と言うのは、高橋陣営のさるウグイス嬢。

「早朝は聖子さんのところで、9時頃から半日ははるみさん。その後はまた聖子さんに戻っていたわね」

 しかし、先に述べたように橋本大臣は「全日」分の報酬を支払っている。「過剰報酬」の跡はここからも窺えるのだ。

 改めて両陣営に聞くと、高橋事務所は、

「引き続き、確認作業を進め事実関係を確認し、選管などとも相談の上、適切に対応します」

 と、時間稼ぎとも取れる回答。

 橋本サイドは、変わらず、

「1万5千円を超える報酬を支払った事実はありません」

 と強気な対応である。

「選挙運動は本来、ボランティアで行われるもので、ウグイス嬢など報酬が支払われる対象は例外。厳しくその使い道が問われるのは当然です」(公選法に詳しい、神戸学院大学の上脇博之教授)

「この件は、誰か告発者でもいれば、捜査が入る可能性もある案件。2人とも、国民に対して、納得できるだけの説明をする責任があります」(前出・伊藤氏)

 報酬の「相場」が法律とかけ離れているために起こっている事態でもあるが、折しも同様の案件にて河井案里議員への捜査が進行中。立春を迎え、梅の季節に訪れた「ウグイス疑獄」は、まだまだ広がりを見せそうである。

「週刊新潮」2020年2月13日号 掲載

関連記事(外部サイト)