立憲民主「安住淳」は国会出禁だ 新聞“くず”批評、表現の自由で政権追及との矛盾

立憲民主党・安住淳氏が新聞社を採点し釈明 いつも以上に増長していたとデスクが指摘

記事まとめ

  • 立憲民主党・安住淳氏が日経新聞を『くず』と評するなど、新聞社を採点し釈明した
  • ここ数カ月、安住淳氏はいつも以上に増長しており記者を罵るばかりだったという
  • 毎日新聞元常務・河内孝氏は竹下登氏と比較し、安住淳氏の小物ぶりを断じている

立憲民主「安住淳」は国会出禁だ 新聞“くず”批評、表現の自由で政権追及との矛盾

立憲民主「安住淳」は国会出禁だ 新聞“くず”批評、表現の自由で政権追及との矛盾

安住淳氏

 通常国会の最中、あろうことか最大野党の幹部が、口汚く罵る前代未聞の“評定“を書き加えて、各社の新聞記事を国会内に貼り出した。立憲民主党安住淳国対委員長(58)による「表現の自由」への挑戦。書かれた当の新聞社の多くが断ぜぬなら敢えて言おう。そんなセンセイは国会出禁である。

 ***

 国会内にある立憲民主党の控室に、異様な”壁新聞”が現れたのは2月4日朝のこと。多くの議員や記者らが行き交う院内の廊下に面した扉、そのひときわ目につく場所に6社の新聞記事が貼られ、安住センセイによる”評定”が以下の形で書き加えられていた。

・日経新聞

〈0点 くず 出入り禁止〉

・産経新聞

〈論外〉

・読売新聞

〈ギリギリセーフ〉

・朝日、毎日、東京新聞

〈花丸(手書きの印で)〉

 これらは全て2月4日付の朝刊記事についてで、前日の衆院予算委員会における与野党の質疑を取り上げている。

 罵詈雑言を浴びた日経は野党側は〈「『桜を見る会』などの追及ばかりを続けている」という批判をかわしたい思惑もある〉と書き、産経も立民幹部のコメントとして同様の声が地元から上がったと報じた。実際、1月からの通常国会で立民は政権批判の要に「桜を見る会」を据えたが、折しも新型肺炎の感染者が急増。形勢不利と見たのか、2月からは肺炎対策の質問に時間を割くよう方針転換していたのだ。

 酷評された2紙はそんな事情を解説したに過ぎないが、同様の指摘をした読売は、なぜか〈ギリギリセーフ〉という判定である。

「読売は、質問した立民の辻元清美議員を〈辻元節 鋭く〉と書き、それで安住氏も及第点を出したのでは」

 と話すのは、さる全国紙の政治部デスクである。

「〈花丸〉を貰った東京新聞は、担当記者の顔写真までもが丸で囲まれ〈すばらしい!〉と絶賛されている。朝日などリベラルな論調の、立民に紙面を割く新聞は同様の評価。一方で、産経など保守系メディアは自民の岸田文雄政調会長の質問を大きく取り上げたことが、安住氏の逆鱗に触れた。どの党の質問を取り上げるかは各社の裁量で、政治家が口を挟めば表現の自由への圧力と受け取られかねません」

 そんな安住氏は当選8回、野田政権時代には財務相を務め、今は最大野党の立民で国会対策委員長の要職に就くが、NHK政治部記者から政治家に転身した経歴の持ち主だ。報じる側の苦労をよく知るだけにタチが悪い。

 貼り出した当日の夕方、記者の前に姿を見せた彼は、「ほんの冗談のつもりだった」「反省している」など釈明に終始するが、「編集権の侵害では」と問われると、

「ちょっと大げさだと思います。正直言って皆さんも、大笑いして見ていた人も多かったわけですし」

 追及するアナタたちも最初は笑っていたじゃないかと抗弁した。

 そのワケを、ある全国紙の政治部記者がこう明かす。

「実は、最初に貼り出しを見た番記者の中には、冗談だと捉えて面白いと笑う者もいたので、安住氏もここまで事が大きくなるとは思わなかったのでしょう。結局、現場からの報告を受けた各社のキャップが“圧力だ”と問題視、安住氏に会見を申し入れた経緯があるのです」


■“お前の会社は”


 手塩にかけた記事が晒しものにされたのに、なぜ現場記者たちは笑い事で済まそうとしたのか。先のデスクによれば、

「ここ数カ月、番記者たちは野党再編の情報を聞き出そうと安住氏の機嫌を窺っていた。小柄な割に横柄な態度から政界で“ちびっこギャング”と揶揄される彼は、いつも以上に増長していたようです。週1回、昼間に各社と懇談の場を設けていますが、安住氏は記者が全員集まってもしばらくテレビを見続けて話を始めない。やっと口を開けば、“お前の会社は与党のことしか書かない”“不公平だ”などと罵るばかり。今回もそうした言動の延長だと、現場は慣れっこになっていたのです」

 とはいえ、騒動の翌日、5日以降の各紙をみても、あれだけ酷評された日経でさえ自社がどう罵られたか記事では触れず、小さく事実関係を伝えるのみ。他社も横並びで、朝日がやや大きめの記事で報じた後、天声人語で触れるに留まった。

 各紙がおしなべて大人の対応をする中、唯一、産経は、政治コラムで過去の安住氏の言動も含めて批判した。その筆者で、産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比氏が言う。

「安住氏のやり方は看過しがたい事態ですが、本来は政治家がメディアについて発言すること自体は問題ではありません。それがおかしなものであれば記者たちもきちんと怒り、反論すべきです。小選挙区制度の下では、1回の選挙で政権がひっくり返る可能性がある。野党といえども甘やかして放置せず、監視していく必要があります」

 片や、過去の大物と比べ安住氏のちびっこぶりを断じるのは、毎日新聞の元常務で政治部記者だったジャーナリストの河内孝氏だ。

「かつての竹下登総理は、記事に文句を言って怒りを露にするようなことはありませんでしたから、安住さんとは器が違う。当時の大物議員は、批判をするのが新聞の仕事だという共通認識を持ち、戦争体験を経ているから表現の自由の重要性も分かっていたと思います」

 騒動は安住氏個人にとどまらず、党としての立憲民主党のあり方も問われる。

 昨年のあいちトリエンナーレにおける「表現の不自由展」をめぐり、文化庁の補助金が不交付になったことを立民は問題視。秋の臨時国会を「報道の自由、表現の自由国会だ」とぶち上げ、昭和天皇の写真を燃やす行為までもが「表現の自由」の範疇にあると言わんばかりに、政権を追及していたのだ。

 メディア論が専門で元上智大学教授の田島泰彦氏は、

「国会で表現の自由を訴えながら、都合の悪いメディアには強圧的な態度をとる安住さんの行動は明らかに矛盾しています。本当にそれが大切だと唱えるのなら、今回の問題がなぜ起こったのか、政党として有権者に説明する責任があります」

 いっそのこと、枝野代表が安住センセイを「国会出禁」処分にすれば、世間からさすがは「最大野党」と認められるようになるのでは。

「週刊新潮」2020年2月20日号 掲載

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