支持率急落“緊急事態宣言を1秒でも早く解除を”安倍首相の焦りと「0・5」の呪縛

支持率急落“緊急事態宣言を1秒でも早く解除を”安倍首相の焦りと「0・5」の呪縛

安倍晋三首相

■岡田晴恵教授の指摘には…


 東京都に出されている緊急事態宣言の解除が、5月25日にも現実味を帯びてきた。これまでの安倍晋三首相の焦り、宣言解除の目安として提示された「直近1週間の新たな感染者数の累計が、10万人あたり0・5人程度以下」という数字の重みについてリポート。

 官邸関係者はこう話す。

「例の『0・5』に結構、縛られちゃってるんですよね」

「0・5」とは、政府が基本的対処方針の中で、緊急事態宣言を解除する目安の1つとして、「直近1週間の新たな感染者数の累計が、10万人あたり0・5人程度以下」と提示したものだ。

 東京都は去る21日の新規感染者が11人となり、ここ1週間で新規感染者が10万人あたり0・42人と、初めて0・5人程度以下の目安をクリアしたが、解除は見送られた。その後も2日連続で3人以下となっているのだが、

「小池さん(百合子都知事)は自分の選挙がある7月5日までは、感染者を増やすことは避けたい。新型コロナウイルスの感染者数や亡くなった方は現在進行形で数字が出ますけれど、経済指標などは若干遅行します。早めに自粛を緩和して患者数などがブリ返すと支持率に跳ね返る。だから、できる限り自粛を要請した結果、感染を抑え込み、さぁ当選した暁には経済です! というような流れで提案したいんでしょう」

 小池知事が提唱する緩和のためのロードマップは薄氷を踏むような慎重さで、ともすると過剰な自粛要請と取られかねないという批判の声が出てきているのだが、それはともかく、安倍首相はと言うと、

「一応、“0・5人程度以下”が絶対的な基準とはならないことも示されていますが、安倍さんも『0・5』にこだわっていますね。本音では1日、いや1秒でも早く宣言を解除して、経済の正常化に進みたいと考えているんですが、その一方で、この数字をクリアできていないのに宣言解除するなら、それなりに説明が必要になってくる。そのための論理がなかなか容易ではないようです」

 緊急事態宣言が全国一律ではなく、5月15、21日と段階を経て解除されてきたことについても、安倍首相の焦りが表れているという。

「15日から21日だと1週間も間隔が空いていませんし、仮に25日に残りのエリアに解除が宣言されるとなると、わずか4日。そんなに区切ってやる方が逆に混乱を来すのでは……という指摘がないわけではなかったし、緊急事態宣言に準じるもので何かという話もありましたが、なかなか難しい選択でした」

 あの岡田晴恵白鴎大教授は、4月20日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した際に、緊急事態宣言について、「現実的に5月、6月の解除というのは難しいんじゃないかと思ってるんです。(宣言を)出すよりも解除する方が難しい。7月ぐらいになって気温と湿度が上がって落ちてくるにしても、たぶん秋冬に第2波が来る可能性がある」と話していた。

 先の官邸関係者によると、

「いやいや、安倍さんは一旦宣言を解除しても、状況が悪くなって『0・5』を上回ることが続くようだと、再度宣言を出すのは躊躇しないとハラをくくっていますよ。もちろん、そうならないように祈る他ないわけですが。裏返せば、それくらい『0・5』を遵守しようとしているわけです」

「検察庁法改正案の件でムリをしすぎて内閣支持率が低下しましたね。さらに黒川検事長が賭けマージャンの記事で“刺され”た直後の毎日新聞などの世論調査(23日発表)では、支持・不支持の差が一気に拡大しましたね」

 内閣支持率は前回から13ポイント下がって27%。内閣不支持率は19ポイントあがって64%。経済最優先で運営されてきた安倍官邸にとって、「0・5」という数字に自縄自縛となっているさまは皮肉なことだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月25日 掲載

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