枝野も野田も小沢一郎が大嫌いだったはずじゃないのか 新党結成で蘇る民主党の悪夢

立憲民主党、分党する国民民主党と新党結成 枝野氏、小沢氏など顔ぶれ"民主党"とも

記事まとめ

  • 立憲民主党の枝野幸男代表が9月にも150人規模の新党を結成、国民民主党も合流する
  • 小沢一郎衆院議員、無所属の野田佳彦前首相や岡田克也元外相なども参加するとみられる
  • 小沢一郎、枝野幸男、野田佳彦の顔ぶれを見て、「なんだ民主党じゃないか」との声も

枝野も野田も小沢一郎が大嫌いだったはずじゃないのか 新党結成で蘇る民主党の悪夢

枝野も野田も小沢一郎が大嫌いだったはずじゃないのか 新党結成で蘇る民主党の悪夢

かつての犬猿の仲

 立憲民主党の枝野幸男代表は、9月にも150人規模の新党を結成するという。新党には、立憲民主党の議員はもちろん、分党する国民民主党からは小沢一郎衆院議員、さらに、無所属の野田佳彦前首相や岡田克也元外相なども参加する予定だ。その顔ぶれを見て、違和感を持つ人は少なくないはずだ。なにしろ、かつての犬猿の仲と言われた人たちが手を取り合っているのだから。

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 小沢氏は8月13日、枝野代表と会談した。その後、記者団に対して異常なほどのハイテンションで野党合流の意欲を語っている。

「我々が自民党安倍政権に代わって国民のための政治を実行するという気概で、総選挙で政権交代ということを考えていく。それが国民の期待だと思っていますよ。これでまとまって選挙やったら絶対勝つよ。絶対次の総選挙の後は我々の政権だよ。間違いない」

 いかなる根拠で絶対勝つと言ったのかは不明だが、小沢一郎、枝野幸男、野田佳彦の顔ぶれを見て、真っ先に思い出すのは民主党の菅直人政権(2010年6月〜11年9月)だ。当時、消費税増税を巡って、増税に反対の小沢グループと、増税に賛成の反小沢グループとで党を二分する激しい攻防が繰り広げられた。

 菅首相が消費税増税を打ち出した時、小沢氏は、

「国民に約束したことは守らなければ、うそをついたことになる」

 と批判すると、当時幹事長だった枝野氏は、

「無責任な大衆迎合」

 とののしった。


■数合わせ


 消費税増税の影響で、2010年7月の参院選で民主党が議席を減らすと、小沢氏は総理退陣や枝野氏の幹事長辞任を迫った。そして同年9月の代表選挙に小沢氏が出馬、深刻な党内抗争へと発展する。

 さらに、2011年9月に発足した野田内閣でも激しい対立が続いた。小沢氏と野田氏は2012年5月、消費税増税を巡って会談した時、野田首相は、

「財政状況が厳しい中、(増税は)待ったなしだ」

 小沢氏は、

「大増税の前にやるべきことがある。経済政策の面でも実態の面でも納得できない」

 と反論した。会談は平行線に終わり、その2カ月後の7月に小沢氏ら国会議員50名が離党届を提出したのである。小沢グループ離党後も、櫛の歯が抜けるように離党者が続き、12年12月の総選挙では、230あった議席が57まで大きく後退。民主党は下野した。

 野田前首相にしてみれば、民主党政権崩壊の元凶は小沢氏。野田、枝野の2人が大の小沢嫌いであることはあまりにも有名な話だ。それが一緒に新党を結成するとは……。

「結局は数合わせ、ということでしょう」

 とは、政治アナリストの伊藤惇夫氏。

「枝野代表は、小沢氏に対して、党名を変えるなど新党合流へのハードルを下げてきました。

 かつて民主党政権を崩壊させた小沢氏と手を組むなんて、普通なら考えられないことですが、枝野代表は心のどこかで、小沢氏を信奉しているところがあるんでしょう。新党を結成するにあたって、相談したり知恵を借りたりするには小沢氏しかいないと思っているようですね。でも、小沢氏の党運営は、途中までうまく行くけど、新進党を解党させたように、失敗の連続です」


■フルモデルチェンジ


 新党を結成して、果たして有権者から支持されるのか。

「党名には“民主”という名前をつけるべきではありませんね。枝野や小沢、野田の顔ぶれを見れば、なんだ民主党じゃないか、と思われてしまいます。しかも、民主党を野党に転落させた小沢氏もいるわけですからね。新党を結成するには、フルモデルチェンジすべきです。野田氏はもう退いています。枝野氏や小沢氏も全面に出るべきではない。枝野氏は、まだ自分には人気があると思っているようですが、若い人を立てるべきです。まったく新しい党というイメージを打ち出さないと、有権者は振り向かないんじゃないですか。彼らが中心になっていると、崩壊した民主党政権の悪夢が蘇ってきますよ」(同)

 時事通信が8月に行った安倍内閣の支持率は32・7%。2017年7月の29・9%に次いで2番目に低い。

「そろそろ解散風が吹いてきたということでしょうか。内閣支持率は低いが、政党支持率を見ると、立憲民主党や国民民主党は二桁いっていません。自民との差はかなりあります。自民党政権の牙城を崩すのは簡単ではないでしょう」(同)

 実際、時事通信の8月の政党支持率は、自民が24・2%、立憲民主党が3・5%、国民民主党は0・6%だ。

「民主党政権は、消費税増税を巡って大喧嘩して、崩壊しました。本来、政策というものは、消費税のような個別案件ではなく、20年、30年先の日本のビジョンを提示するものです。今度の新党でも、消費税云々など、子どもの喧嘩が続くようであれば、国民も最初から期待しないでしょう」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年8月21日 掲載

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