米山隆一氏が新潟5区で立候補 「ひるおび!」降板の妻・室井佑月氏が秘密兵器になる?

米山隆一氏が新潟5区で立候補 「ひるおび!」降板の妻・室井佑月氏が秘密兵器になる?

夫婦で”室井旋風”を巻き起こすか?

■自民党は戦々恐々!?


 情報番組「ひるおび!」(TBS系列・平日・10:25)は12月3日の番組冒頭で、木曜コメンテーターを務める作家の室井佑月氏(50)が降板すると発表した。

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 江藤愛アナウンサー(35)が室井氏のメッセージを朗読。今年5月に結婚した元新潟県知事の米山隆一氏(53)が次期衆院選に立候補することを表明したため、番組の《公平性を担保》するために出演を自粛する、と説明した。

 米山氏は11月27日、新潟市内で記者会見を開き、次期衆院選で新潟5区から無所属で立候補することを発表している。

 同区の現職は、米山氏の前の新潟県知事だった泉田裕彦氏(58)。多くのメディアが“元知事対決”と報じた。

 泉田氏は自民党、米山氏は共産党を含む野党統一候補となるのは確実視されている。与野党一騎打ちの選挙区として、全国ニュースとしての注目を集めそうだ。

 米山氏は灘高から東大医学部に進学。医師免許を取得しただけでなく、司法試験にも合格したことでも知られている。

 それほど明晰な頭脳の持ち主でありながら、知事時代には買春問題やTwitterでたびたび炎上騒動を起こしていることでも知られる。

 まずは買春問題から振り返ろう。2016年10月に新潟県知事選で当選を果たしたが、18年4月に20代の女子大生に金品を渡して交際していた買春行為を週刊文春に報じられ、県知事を辞任した。


■「頭の悪い知事」


 次はTwitter上での発言だ。現在でも米山氏は日本維新の会に批判的なツイートを行うことでも知られているが、その“原点”と考えられるのは、17年に橋下徹氏(51)と勃発した論争だ。

 ちなみに米山氏は05年と09年の衆院選では、新潟5区から自民党候補として出馬するも落選し、12年は維新の候補として同じ5区から出馬、この時も落選している。

 17年3月14日、橋下氏は森友学園問題に関して、以下のようなツイートを投稿した。

《森友学園と無関係であることをとにかく言いたいために、事実確認もせずに国会で無関係と言い切った稲田さんは政治家としてアウト。しかし蓮舫さんも二重国籍問題で全く同じことをやった。稲田さんが辞任なら蓮舫さんも辞任。民進党、追及するか?》

(註:引用に際しては全角文字を半角にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた。以下同)

 これに当時、県知事だった米山氏が噛みついた。

《そもそも別問題だと思いますが、それを言うなら、まず「蓮舫さんの二重国籍をさんざん国会の場であげつらった維新の特にA議員、同じ論調で、国会の場で稲田さんを追及するんですよね?」というべきじゃないでしょうか。立場上あまり言いたくもありませんが、ご都合主義が過ぎるかと思いますので》

 米山氏のツイートに、橋下氏は反論する。

《ほんとこんな頭の悪い知事を持って新潟は大丈夫か?頭だけじゃなくて人間性も最低だけど。こいつは原発バリバリ推進派。選挙前に転向。国政選挙の選挙演説では意味不明なバック転をやって失敗。そりゃ落選するよ。僕は蓮舫さんの二重国籍問題では辞任する必要はないと言っている。ちゃんと確認しろ》


■橋下氏の次は熊谷市長


 これに米山氏はツイートを返し、更に橋下氏が《最低な奴だ》と罵倒する場面もあったのだが、きりがないので割愛させていただく。

 橋下氏との論争は多くのメディアに報じられ、「知事にふさわしい発言なのか、そもそも知事がTwitterに興じていいのか」という議論が新潟県内でも高まった。

 米山氏は4月6日の知事会見で、Twitterの使用は続けると言明、「議論は好き」と県民に理解を求めながらも、「立場がある者として、真意がよく伝わるやり方を考えるべきだったと反省している」と謝罪する一幕もあった。

 橋下氏と米山氏の論争は3月14日から3月17日まで続いた。それを受けての4月6日の会見だったわけだが、米山氏は3月30日に新しい“バトル”の口火を切っていた。

 今度の論争相手は、熊谷俊人・千葉市長(42)。ちなみに熊谷氏は今年11月2日に千葉県知事選への立候補を表明している。

 文部科学省は17年3月、新しい学習指導要領を告示したのだが、中学校で行われる武道の中に「空手道、弓道、合気道、少林寺拳法、銃剣道」を明記した。

 この中にある《銃剣道》に米山氏は強い不快感を示し、3月31日に以下のようなツイートを投稿した。

《新学習指導要領で選択制とはいえ中学校の武道に「銃剣道」が入るとの事です。私は反対です。柔道、剣道、相撲はルールも整備され、競技人口も多くスポーツとして確立していますが、銃剣道はその状況になく時代錯誤としか言えません。恐怖を覚えます》


■熊谷市長の質問は無視


 銃剣道というスポーツに対し、現職の知事が「時代錯誤」や「恐怖」と非難するのはいかがなものか──大きな反論が沸き起こったことも関係したのか、米山氏は同じく31日に、以下の投稿を行った。

《言わずもがなですが日本で「銃剣」を所持することはできません。銃剣術を習っても護身に用いることは不可能ですし棒を使った護身術なら剣道が上です。習った後競技を続けられる人も極めて限定されます。当然ですが近代戦において何の役にも立ちません。戦前精神論への郷愁以外のいったい何でしょうか?》

 これに疑問を示したのが熊谷市長だ。

《米山知事、日頃の活動に敬意を表します。軍国主義的郷愁を感じるとは具体的にどのような事実があるのかご教示頂けますか?男性保育士活躍に脅威を感じて私にご意見を頂いた方々の多くのツイートに銃剣道を軍国主義的として反対を表明している方が多数だったのは事実です》

 熊谷市長は「ご教示頂けますか?」と問いかけたが、これに米山氏が答えることはなかった。無視する格好で、以下のツイートを投稿した。

《繰り返しですが、銃剣道の学習指導要領への採用の背景に軍国主義的郷愁を感じる事と、銃剣道を貶めることは全く次元を異にする事です。昨今何かの批判に対して、批判の本筋と無関係な「〇〇を侮辱するのか!」という感情論を持ち出して批判自体を批判するロジックが多用されますが、感心しません》


■「吐き気を催すほど醜悪」


 17年9月には、中国出身で07年に日本に帰化した評論家、石平氏と論争を繰り広げた。きっかけは石平氏が9月7日に投稿したツイートだった。

《「それでも私は権力と戦う」という東京新聞望月記者の台詞を鼻で笑った。私は今まで、本物の独裁政権と戦った勇士を数多く見たが、彼女のやっていることは、何のリスクもない民主主義国家で意地悪質問で政府の記者会見を妨害するだけだ。そんなのを「権力と戦う」とは、吐き気を催すほどの自惚れだ!》

 これに米山氏が噛みついた。

《適不適の判断はさておき、いずれにせよ望月記者は自国の政府に対し直接対峙している。一方石平氏は今や、祖国を離れ、独裁政権と批判する中国政府と直接対峙することなく日本人向けに中国政府批判を展開しているに過ぎない。闘う望月記者の歌を闘わない石平氏が笑う事は吐き気を催すほど醜悪だと思う》

 石平氏は自身が日本国籍であることを示し、米山氏を批判した。

《新潟県米山知事は下記のツイート(編集部註:米山氏の『吐き気を催すほど醜悪』などと批判したツイート)で、「望月記者は自国政府と対峙している」と言うが、帰化人の私にとっても日本政府は自国の政府だ。しかし米山氏は望月記者に関してだけ「自国の政府」の表現を使うが、私を中国政府と結びつける。それは明らかに、帰化人を日本人と認めない排外主義的態度だ!》

 産経新聞は9月12日、「新潟知事ツイートに批判 石平氏に『吐き気を催すほど醜悪』」との記事を掲載した。

《新潟県広報広聴課によると、県庁にはメールや電話で米山氏に批判的な声が多数寄せられている》

 やはり現職の知事が《吐き気を催すほど醜悪》と個人攻撃を行えば、どんな政治信条を持つ県民でも、批判の声を届けたくなるのではないだろうか。


■名誉毀損で訴訟


 18年には、Twitterの投稿を原因として、名誉毀損で訴えられる事態となった。まずサンケイスポーツが18年1月19日に掲載した「ツイッターで『名誉毀損』 大阪・松井知事が新潟・米山知事を提訴」からご覧いただきたい。

《大阪府立高の頭髪指導訴訟を巡るツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事が新潟県の米山隆一知事に550万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したことが18日、分かった。

 訴状などによると、米山知事は昨年10月末、自身のツイッターで大阪府立高での頭髪指導を巡る訴訟に言及。府立高の責任者は「維新の松井さん」とし、「異論を出したものをたたきつぶし党への恭順を誓わせてその従順さに満足する」などと投稿した》

 朝日新聞が18日の夕刊に掲載した「大阪の松井知事、新潟知事を提訴 ツイッター投稿巡り」の記事には、現在の松井一郎・大阪市長(56)の主張と、米山知事の反応を伝えている。

《松井氏側は「党内においてまるで『独裁者』であるかのごとく振る舞っているとの印象を抱き社会的評価が低下する」と主張。名誉毀損(きそん)にあたるとしている》

《「何度も誤読だとツイッターで指摘したが、受け入れられなかった。仮に松井氏への批判と受け取られる可能性があったとしても、公党の代表に対する論評の範囲だ」として名誉毀損には当たらないと主張した》

 米山氏は「誤読」を訴えたわけだが、18年9月、大阪地裁は米山氏に対して33万円の支払いを命じる判決を下した。その後、19年2月に大阪高裁で和解が成立、相互に賠償義務が存在しないことを確認した。


■つるの剛士ともバトル


 最後の“舌禍”は、今秋に起きた。農水省が9月3日、《生産者の皆さまが手塩にかけて育てた家畜や農作物、トラクター等の機械の盗難被害が発生しています》とツイートしたことを受け、タレントのつるの剛士(45)が、以下のような投稿を行ったのだ。

《うちの畑も最近パクチーやられました(現行犯でしたが※「日本語わからない」の一点張り)ので気をつけてください。悲しいですが監視カメラ取りつけました》

 これに米山氏は「外国人差別だ」と批判しようとしたらしいのだが、不可解なところのある文面となった。

《そのパクチーを取った人が外国人だとして豚泥棒が外国人と言う証拠はなく、実家が養豚農家の身として言うなら、大量に屠殺する手段を持たない外国人がこれを行うのはかなり困難で、むしろ同業者の可能性が高いと思われます。まるで外国人の犯罪かのように示唆してRTするのは極めて差別的だと思います》

 北関東などでベトナム人が豚の盗難、違法解体などで逮捕されたことを踏まえてのツイートなのかもしれないが、当然ながら、つるの剛士は困惑を隠さなかった。

《養豚?僕は知りません!もう一度言います。日本人でも外国人でも農産物を盗む行為は歴とした犯罪!こちら100%被害者!差別??現行犯!事実!今回許してしまいましたが今後はこのような難癖つけられないよう次こそ必ず通報します!近隣の畑も同じ被害があるので連携しながらより防犯に努めます! 以上》


■内助の功で席巻!?


 度重なる炎上で、かなり敵が多い人である。さぞかし泉田陣営は楽勝ムードであり、引き締めに懸命なのだろうと現地を取材してみると、これが全く違うのだ。

「たとえ選挙前に『現職有利』と言われても、蓋を開けてみるまでは分からないと思います。新潟5区の自民党員は、確かに泉田さんを応援しなければならない。でも面従腹背の人も多いでしょう。“泉田嫌い”の自民党関係者は少なくありません。米山さんの勝機もあると思いますね」(地元記者)

 自民党関係者の中に、なぜ“泉田嫌い”が多いのか。詳しくは割愛させてもらうが、京大法学部から旧通産省という、これも米山氏に負けず劣らずの華麗な経歴が災いしているようだ。要するに「話が長く、態度が大きい。忠告しても言うことを聞かない」ということらしい。

 とはいえ米山氏は、“買春”という女性有権者をドン引きさせる醜聞がある。大きなマイナス要因になるはずなのだが……。

「普通はそうですよ。ところが米山さんの奥さんが室井さんでしょ。これが切り札というか、恐ろしい力を発揮しそうなんですよ。もう夫婦で選挙区を回っているようなんですけど、室井さんに会った女性は誰もが興奮しています」(同)


■全国有数の激戦区?


 泉田支持を公言する自民党員も、苦笑交じりに打ち明ける。

「室井さんが嫌いな女性もいるでしょうが、テレビにいつも出ている人だけあって、ファンの人も少なくない。おまけに新潟5区は昔から旧社民、旧民主が強い地域でした。自民党員も多いけど、アンチ自民党も多いという選挙区なんです。野党統一候補である米山さんと、奥さんの室井さんは支持層が重なるでしょう。全国でも有数の激戦区になるのではないでしょうか」

“室井旋風”の可能性に、かなりの警戒感があるようだ。関係者は一様に「少なくとも現時点で票読みなんてできない」と口を揃える。

 前回17年の衆院選で、泉田氏は9万1855票で当選。野党系の大平悦子氏(64)は7万9655票と健闘している。

 その差1万2200票。米山氏と室井氏なら、ぶち破ってしまうのだろうか──?

週刊新潮WEB取材班

2020年12月10日 掲載

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