1800万円受領の「吉川貴盛元農水相」も二階派 なぜクズ議員ばかり集まるのか【リスト付き】

■“呉越同舟”の弊害


 朝日新聞は1月1日、1面トップに「吉川氏に現金、さらに1300万円 農水相在任前後に 鶏卵業者供述」の記事を掲載した。(註:デイリー新潮の表記法に合わせ、全角数字を半角数字に改めた。以下同)

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 記事の冒頭部分を引用させていただく。

《自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相(70)=北海道2区、議員辞職=が大臣在任中、鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)から計500万円を受領した疑いがある事件で、前代表が東京地検特捜部の任意聴取に、大臣在任の前後にも計1300万円を渡したと供述していることがわかった。特捜部は出金記録や前代表のスケジュール帳を照合して授受の日付を特定し、総額は2015〜20年の14回で計1800万円になるとみている模様だ》

 吉川元農相が、ここ最近は特に世論の批判を浴びている二階派(志帥会)で、事務総長という要職を務めていたのをご存知だろうか。政治担当記者が解説する。

「吉川氏は北海道議を経て1996年に衆議院議員として初当選を果たし、当選6回のベテラン議員でした。しかしながら、そのうち比例復活が2回あり、復活もできずに落選したことも2回あります。北海道は旧民主党の強い地域とはいえ、決して選挙に強いタイプの政治家ではありませんでした。そんな吉川氏の議員人生を変えたのが、二階派への“移籍”だったのです」

■“寝業師”の面目躍如


 吉川元農相は初当選を果たすと、「平成研究会」に所属した。今の会長は竹下亘・元自民党総務会長(74)だが、当時は後に首相となる故・小渕恵三氏(1937〜2000)が会長を務めていた。

 2009年8月に吉川元農相は落選すると、9月に額賀福志郎・元財相(76)が会長に就任した。

「落選した吉川氏が地元北海道で無聊をかこっていても、額賀さんは全く面倒を見てくれなかったそうです。ところが二階俊博・自民党幹事長(81)は、わざわざ北海道まで足を運ぶこともあったほど、何かと心を配ってくれた。その嬉しさは相当なものがあったようで、吉川氏は国政に復帰すると、額賀派から無派閥を挟んで二階派に移りました。完全な二階シンパになっていたのです」(同・政治担当記者)

 二階派と言えば、“数は力なり”を地でいくように、自民党の他派閥や、他党の議員でも貪欲に受け入れてきたことで知られる。

 2019年には、旧民主党政権で環境相などを務めた無所属の細野豪志衆院議員(49)を特別会員として受け入れ、物議を醸した。

 この拡大路線が、二階派の影響力を高めてきたことは事実だ。毎日新聞は20年10月、「自民党:存在感増す二階派 人事巡り首相が重用 『やり過ぎ』他派閥は警戒 自民党」の記事を朝刊に掲載した。

■大半が問題議員!?


 記事には吉川元農相の名前も登場する。毎日新聞は二階幹事長が《菅政権誕生への流れを作った》とした上で、菅義偉首相(72)が人事で二階派を優遇したことを指摘した。

《二階派で入閣待機組の筆頭だった平沢勝栄復興相の初入閣をかなえ》、《新設した選対委員長代行に吉川貴盛元農相を登用するなどした。無派閥の首相を支える二階派は「事実上の総裁派閥」(党関係者)ともささやかれ、国会でも金田勝年元法相を衆院予算委員長に押し込んだ》

「二階幹事長の面倒見がいいのは有名な話です。北海道で落選に泣かされてきた吉川元農相が大臣を務めるほど“出世”したのも、二階派に所属したためです。とはいえ、二階派は政策通が少なく、利権屋が多い“烏合の衆”であることは否定できません。来る者拒まずで、理念ゼロの問題議員も受け入れますから不祥事が多い。結果として自民党内からも嫌われることになります」(前出の政治担当記者)

 産経新聞は18年10月、朝刊に「入閣へ、寄らば二階派 改造で閣僚2人増…『移籍組』も 領袖手腕に羨望の声」との記事を掲載した。

 この記事に登場する二階派議員は、大半が後に問題を起こしている。具体的には吉川元農相と同じように額賀派から移籍した桜田義孝・元五輪相(71)、谷垣グループ(有隣会)で活動していた今村雅弘・元復興相(73)、岸田派に所属していた福井照・元沖縄北方担当相(67)──という面々だ。


■逮捕から男女問題まで


 表にまとめてみたので、ご覧いただきたい。問題の重要性から最初に逮捕や書類送検された議員から記載しているが、その数が何と3人もいる。

 今村元復興相は17年4月4日の閣議後に開かれた記者会見での発言も物議を醸した。

 原発事故での自主避難者への住宅の無償提供が打ち切られたことを、厳しく質問したフリージャーナリストに向かって「なんで無責任だって言うんだよ。撤回しなさい」、「二度と来ないでください、あなたは」と感情的に噛みついたのだ。特にテレビのニュース番組でオンエアされた様子をご記憶の方も多いだろう。

 2番目の表は、男女関係で主に週刊誌に批判された議員を集めた。ちなみに二階派に“入会”する前だが、FRIDAYが細野元環境相と山本モナ(44)の不倫を報じ、キス写真が掲載された過去があるのも興味深い。

 表には含めなかったが、朝日新聞は1月3日、「西川元農水相にも1500万円超 在任中含む7年間 鶏卵業者供述」との記事を掲載した。

 アキタフーズが《西川公也(こうや)・元農水相(78)にも2014〜20年の7年間で1500万円超を渡したと供述していることがわかった》と報じたものだ。

 この西川元農相は12年、二階派の事務総長に就任している。だが17年の総選挙で落選。内閣官房参与に任命されていた。


■問われる首相の態度


 また二階派は、片山さつき・元地方創生担当相(61)のように政治資金収支報告書の不記載などが報じられた議員も目立つ。

 ちなみに片山氏は委員会採決の無断欠席や、自身が委員長を務める参議院外交防衛委員会理事懇談会に2回も遅刻したことが話題になったこともあった。

「菅さんは昨年12月、二階さんや芸能人などと高級ステーキ店で会食を行ったことを報じられ、支持率を落とす原因の1つとなりました。少なくとも官房長官時代、菅さんは世論に極めて敏感でした。本来なら断った会食だと思いますが、二階さんの開いた会なので、出席せざるを得なかったということでしょう」(前出の政治担当記者)

 とはいえ、菅首相は仮にも一国のトップだ。二階幹事長に“コントロール”されていると世論に見なされるのは屈辱的であり、内閣支持率や国政選挙にも影響を及ぼしかねない。

「二階さんに唯々諾々と従ってしまえば、それこそ自民党内における求心力低下にもつながりかねません。菅さんがどれだけ二階さんと是々非々で対峙することができるか、今後の政権運営に大きな影響を与えるといっても過言ではないのです」(同)

週刊新潮WEB取材班

2021年1月5日 掲載

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