プーチン大統領の特命研究である「若返り延命」と「ロシアの夢」の可能性。

プーチン大統領の特命研究である「若返り延命」と「ロシアの夢」の可能性。

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[著:浜田和幸]プーチン大統領の出身地サンクトペテルブルクにイオカッド研究所がある。この研究所は表向きガンの研究で知られているが、プーチン大統領の特命研究テーマを与えられている。それは何かと言えば、ずばり「若返り延命薬」の開発に他ならない。もちろん、同研究所のカラベルスク博士によれば「我々の研究目的は延命そのものではなく、高齢者になってからも生活の質を高め、若さを保つことができるようにすることに尽きる」とのこと。心臓疾患やガンにかかるリスクを低減させる薬の開発に取り組んでいるという。この「若返り薬」を服用すれば、「130歳までは楽勝」らしい。言うまでもなく、この薬を最も必要としているのはプーチン大統領その人であろう。憲法を変え、自らが終身大統領の座に就くことを可能にしたばかりだ。現在67歳の大統領であるが、この「若返り薬」を服用すれば、130歳まで、即ち「今後63年間も大統領職に留まることもできる」というわけだ。

プーチン大統領が率いる政党「統一ロシア」では、この若返り薬を希望する全てのロシア人に提供できるようにしたいとの政策を掲げている。実用化にはまだ20年ほどの時間がかかる模様だ。となると、プーチン大統領は少なくとも2040年までは政治生命を維持しなければならない。そうすれば、その後はこの薬のお蔭で「2083年まで大統領を務めることも可能になる」。果たして、そうしたことが可能かどうか。たとえ可能だとしても、それがロシアの国民にとって望ましい未来と言えるだろうか。

いずれにせよ、ロシアの未来を選択するのはロシア人である。しかし、プーチン大統領が世界初のコロナワクチンを開発したと豪語し、その陰で、世界初の若返り薬の開発をも加速させていることは紛れもない事実である。プーチン大統領は旧ソ連邦の復活を構想しており、その「ロシアの夢」を実現するためにも、ベラルーシやカザフスタンなどの大統領をサンクトペテルブルクに招いては、延命治療薬の開発現場を案内し、その可能性を実感させることで、ソ連復活へ共同歩調を組む仲間を増やそうと目論んでいるようだ。そのためにも、プーチン大統領は自らの健康管理や体力保持には人一倍の努力を惜しまない。毎日午前中は2時間の水泳。その後、ジムでの体操やウェイトリフティングに汗を流す。仕事を始めるのは午後早くからで、夜になるほど仕事に熱が入るという。アルコールはレセプションなどで軽く口を付ける程度で、一切飲まない。彼を後継者に指名してくれたエリツィン前大統領のアル中気味の生活を間近に見てきたせいであろう。

こうしたストイックな生活を続け、開発中の「若返り薬」が完成すれば、「ロシアの夢」も達成できるかも知れない。少なくとも、プーチン大統領は現時点での世界の指導者の誰と比べても、体力、知力、交渉力で圧倒した存在であることは間違いないからだ。筆者は以前、ロシア外交アカデミーでプーチン大統領と会う機会があったが、その時の一言が忘れられない。「自分はお金やモノを集める気はない。自分が大事に集めているのは人の気持ちだ。多くのロシア人が自分を信頼し、大統領職を与えてくれた。彼らの気持ちこそが自分にとって最大の富である」。残念ながら、安倍首相やトランプ大統領では勝負にならないことは明らかだ。

[著者浜田和幸]国際未来科学研究所代表国際未来科学研究所代表。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。参議院議員、外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員、2020東京オリンピック招致委員等を歴任。ベストセラー『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日経ビジネス人文庫)、『未来の大国』(祥伝社新書)等、著書多数。

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