連載コラム「急所を握れば五感も働く」〜第1回 ワクチン健康被害は税金で補償?〜

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藤野光太郎(編集者・ライター)

突然の安倍首相辞任で、「次は誰か?」と世の中は大騒ぎだ。自民党総裁選は9月中旬、首相指名選挙は同16日。本稿執筆の翌日=9月1日の自民党総務会で党員投票を認めるか否かが決まる。投票から党員が外されれば事実上、安倍政権がこれまで強行採決してきた諸法の運用も引き継がれる。新型コロナウイルス感染症については、「感染者数」と報じられる陽性者数の数値報道が天気予報のように日常化している。そのため、陽性者数が100人から200人、300人から400人へと増えても、もはや多くの国民が深刻に慄く気配はない。但し、「傘は必要」と刷り込まれているため、関心はワクチンの開発動向に向けられている。ワクチンさえ登場すれば万事解決、という刷り込みだ。

新型コロナ感染症が国内で騒がれ始めた今年3月初旬、筆者はSNSで次のような指摘をした。――政府の新型コロナウィルス感染対策は腑に落ちないことだらけ。公表していないことでもあるのか。(3/1)――ビル・ゲイツさんが「100年に1度」の病原体と言い、製薬メーカーと感染研も生データ集めに必死。目先の人命よりワクチン利権を優先すれば予測は現実になる。(3/6)――専門家会議4名参加の感染研に検査集中で生データ独占取得→リスキーな感染拡大で免疫拡張後に一旦終息したら、ワクチンビジネスで製薬企業が巨大利権獲得?(同前)それから約5ヵ月半を過ぎた8月21日、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策分科会に提出された資料「新型コロナウイルスワクチンの接種について」には、次のような方針が明記された。「健康被害が生じた場合の救済措置、企業との損失補償契約」この「救済措置」とは、「副反応等で被害を受ける患者に対して」ではなく、「ワクチンを開発・製造・販売する企業に対して」のものだ。つまり、国民自身の税金で“補償”するということ。何らかの健康被害が生じたら速やかにカネが動くこと自体は患者の救済措置となるためよいとしても、それを政府が製薬会社に請求するとの記述は見当たらない。秘密契約だからである。これは安倍首相から国民への「置き土産」ということか。

実は、2009年の「ワクチン接種の基本方針」でも、政府は「健康被害が生じた場合等の損失を補償する契約を企業と締結」するよう特別措置法で定めていた。製薬企業を免責する法案は、次期国会に提出される。前述のように、安倍首相の余った任期を務めることになる後継首相は9月中旬に決まり、その直後に臨時国会が召集される。ワクチン開発報道のラッシュで、国民の多くは「いまかいまか」と、その登場を待ち望んでいる。ワクチンビジネスの世界的な巨大市場はすでに完璧に準備されたと言ってよい。臨時国会の会期はわずか3日間。「早急に入手を!」との前提が錦の御旗となり、野党の質疑は抑えられて、法案は容易に可決されるに違いない。しかし、過度に期待してよいものか?開発期間は未曽有の超短期。生産目標数は世界規模で莫大。そして、新型コロナウイルスと免疫の関係はまだ未解明なのである。近い将来、副反応が続発するリスクはかなり高いとみなければならない。次回、現在進行形のワクチン開発実態を検証する。

藤野光太郎(編集者・ライター)1980年代以降、近代・事件・賭博・エネルギー・貿易・基地・食品・薬などの動きを月刊誌・週刊誌・専門誌で企画編集・取材執筆。最近では「プレジデント」「ビジネスジャーナル」などの本誌やネットメディアでも活動中。

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