SBIが香港からの撤退を検討へ。香港から手を引く多くの企業たちとは?

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日本のインターネット金融大手のSBIが香港の金融地位の下落を懸念して年内の撤退を検討し始めています。こうした金融地位の下落の原因には国家安全維持法を始めとした中国本土による香港への規制強化があり、こうした規制強化によって中国政府は自由を標榜する国々との対立を深めています。

SBIが香港から撤退を検討し始めた原因には2020年6月30日に可決された「香港国家安全維持法」があると見られています.香港国家安全維持法によって、香港における自由と法による統制が脅かされると考えられており、それに対する米国による反発の結果として米国が香港に与えていた優遇措置が廃止されていく動きが生じています。それによって香港の国際的な金融地位も低下すると見られていることから、SBIは早ければ今年度中にも撤退を行い、大阪や神戸に拠点を移す方針です。

香港からの撤退はSBIなどの金融業だけでなく、それ以外の業種においても広がりつつあります。例えば、アメリカの大手メディアであるニューヨーク・タイムズ社は香港国家安全維持法による言論統制の高まりを懸念して香港から撤退することを決定しています。また、ジェトロと香港日本人商工会議所による香港に進出している日本企業へのアンケートによると、香港拠点の活用方針に対して約36%の企業が撤退や規模の縮小などの位置づけの変更を検討しています。このように、国家安全維持法の施行によって香港を取り巻くビジネス環境は大きく変化しています。

中国政府による香港への規制強化に対して米国を中心に世界で反発が広がっています。中国では言論統制が近年厳しくなっており、自由を標榜する国々との対立が深まりつつあります。今後も中国政府による規制強化によっては中国対世界の対立構造がより深まっていく可能性があります。

中国ではインターネット上での言動についても厳しい統制が行われていることが知られています。例えば、2020年3月に「良好なインターネット環境をつくり出す」管理規定を制定し、習近平国家主席の主義思想をインターネット上で広めることを促すとともに、国家の安全だけでなく自然災害や重大な事故に関する適切でない評論を取り締まることが決定されました。これによって、新型コロナウイルスや今後発生する事故についてインターネット上で中国政府の対応を批判する内容は”適切ではない”として取り締まられる可能性があります。

すでに国家安全維持法の施行によって香港メディアでは言論に関する自主規制の雰囲気が醸成され始めていることが指摘されています。しかしながら、今後、中国政府は中国本土と同様に規制を強めていく恐れがあり、それによって自由や民主主義を掲げる米国などとの対立も強まる恐れがあります。米中の対立は日本経済だけでなく世界経済にも影響を与えるため、今後の中国の対応に注目が集まっています。

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