ロシアのノビチョク使用は真実か?歴史上数あるロシアの暗殺疑惑。

ロシアのノビチョク使用は真実か?歴史上数あるロシアの暗殺疑惑。

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2020年8月、ロシア野党の指導的立場にあるアレクセイ・ナワリヌイ氏がロシア国内にて神経剤であるノビチョクを盛られたことをドイツ政府が発表した。過去にも、ロシアの”裏切り者”が暗殺された事例は枚挙にいとまがなく、西欧諸国は反発を強めている。

ロシア連邦政府の汚職事件やプーチン大統領への批判などによって、注目を浴びていたアレクセイ・ナワリヌイ氏。ナワリヌイ氏はロシア国内で搭乗した国内線で体調が急変し、意識不明の重体に陥っていた。ナワリヌイ氏はかつて逮捕された際の収監中に両まぶたが腫れ上がる重度のアレルギー症状で病院に搬送されたこともあり、ナワリヌイ氏の広報担当者は今回の体調の急変も毒を盛られたとTwitterで発表。ナワリヌイ氏は現在、ドイツの病院で治療をうけており、昏睡状態から周囲の呼びかけに反応するまで病状は回復している。

9月2日、ドイツ政府は同国軍の調査によって、ナワリヌイ氏にノビチョクが使用された明確な証拠を得たと発表した。ノビチョクはロシアが開発した化学兵器として使用される神経剤で、呼吸停止と心肺停止をもたらす効果をもつことが知られている。この毒殺未遂事件を受けて、主要7か国外相はロシア政府への非難声明を出したものの、ロシア政府は関与を否定している。

今回発覚したロシア政府によるナワリヌイ氏への毒殺未遂事件。ロシア政府が関与したと見られる暗殺事件は、ナワリヌイ氏への毒殺未遂事件だけにとどまらず、数多く報告されている。

2018年3月、イギリス政府はイギリス国内においてロシア連邦軍参謀本部情報総局幹部だったセルゲイ・スクリパリ氏とその娘に対してノビチョクが使用されたと発表した。スクリパリ氏はイギリスのスパイとして活動していたとして2006年に禁固13年の判決を言い渡されていた。その後、ロシアとアメリカの間で行われたスパイ交換でアメリカに渡った後、イギリスに亡命。イギリス政府はスクリパリ氏へのノビチョク使用についてロシア政府に説明を求めていたが、ロシア側が拒否したためロシア外交官23人を追放する事態にまで発展していた。

チェチェン紛争でのロシア政府による残虐行為などを批判的に報道してきたノーバヤ・ガゼータ紙のアンナ・ポリトコフスカヤ記者は2006年に射殺。イギリスのスパイとして活動していたアレクサンドル・リトビネンコ氏も2006年に緑茶に「ポロニウム210」を盛られ、死亡。他にも、ウクライナ解放運動の指導者だったステパーン・バンデーラ氏や、ソ連の言論弾圧などを批判した作家ゲオルギー・マルコフ氏、チェチェン独立運動の指導者ゼリムハン・ヤンダルビエフなど、ソ連やロシア政府に敵対的な行動をとる”裏切り者”への暗殺がが続いている。

プーチン政権が発足してから20年。プーチン大統領は2020年に憲法改正を行い、最長で2036年まで政権を担えることとなった。現在、ロシアでは三権分立が機能せず、メディアも政府の統制下にあることから、プーチン大統領による独裁化が進んでおり、国際社会からの不信を招いている。

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