医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<うつ病>午前中不調で夕方に改善。気分の「日内変動」がある

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<うつ病>午前中不調で夕方に改善。気分の「日内変動」がある

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<うつ病>午前中不調で夕方に改善。気分の「日内変動」がある

 異動や転勤などの生活環境や、周囲の人間関係が変化すべき時期こそ「うつ病」に注意すべきだ。

 実は「うつ病」は1日の中でも、抑うつ状態に波がみられることが知られている。特に、起床時に最も症状が強くなり、昼過ぎから夕方にかけて症状が改善していく。生活時間帯における症状の変動を「日内変動」と言い、人によっては夕方以降になると、普通に働ける人もいる。

「日内変動」には次のような症状がみられる。

【1】早朝に目が覚めるが、起き上がる気分になれない。

【2】会社や学校に行かなければならないが気力が出ない。

【3】人に会いたいと思わない。

【4】朝、新聞を読めなくなる。

 もし一つでも該当すれば「うつ病」の可能性が高いので注意が必要だ。

 ちなみに【4】の症状は「朝刊シンドローム」と言われ、急に朝刊も読めなくなるほどの無気力に襲われ、会社に出勤するのも億劫になってしまう状態を指す。

 この「日内変動」が起こる原因は、まだ全てが明らかになっていないが、体内時計の「概日リズム(サーカディアンリズム)」が関係していると考えられている。人間の体内時計の周期は約25時間だが、地球の1日の周期は24時間で少しズレがある。

 本来ならこのズレを、太陽の光を浴びることでリセットしているが、ズレをうまく調整できなくなると心身ともに不調をきたし「うつ病」を発症してしまうのだ。

 これを克服するには、「日内変動」の特性を理解して毎日の生活リズムを整えることが最善策。気をつけてほしいのは「夜間の過活動」は控えることである。日中は気分が重くて動けなかったのに、夜になると比較的楽に動けるようになるため、「過活動」になりがちなのだ。まずは規則正しい生活を心掛けよう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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