医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<瞼痙攣>「ドライアイと間違えやすく目が開かなくなる危険も」

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<瞼痙攣>「ドライアイと間違えやすく目が開かなくなる危険も」

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<瞼痙攣>「ドライアイと間違えやすく目が開かなくなる危険も」

 最近、瞼がピクピクする。目の使いすぎで起こる瞼の痙攣は、軽視しがちだ。しかし医学的には放置していいものもあるが、重大病が潜んでいる可能性もあるため、その見分け方がポイントとなる。

 肉体的な疲労や精神的なストレスなどが原因となる「眼瞼(がんけん)ミオキミア」は、瞼の上下の一部だけが小さく動くのが特徴。長時間のPC作業などによる眼精疲労や、寝不足が引き金となるので、目薬を使用すれば自然と治ることがほとんどだ。

 注意したいのが「眼瞼けいれん」。特に40〜70代に多く、放っておいても自然に治らないうえ、ドライアイと間違えられ重症化しやすいのがやっかいな点だ。

 瞼がピクピクするほかに、まばたきが増えたりすることがあるため、ドライアイによる目の乾きのせいだと思い込んでしまう危険性がある。さらに、光のまぶしさや、まばたきの多さ、目の開けづらさだけで、瞼のけいれんを伴わない場合もあるため、余計に気づきにくい。

 症状が進行すると、目をうまく開けていられず、人やモノにぶつかるなど、生活に支障を来してくる。さらに悪化すると、目を閉じているほうが楽になり、自分の意思で瞼を開けられなくなってしまう。この病気は、不随意で持続的な筋肉収縮を引き起こす神経疾患「局所ジストニア」が原因と考えられているが、完全には解明されていない。そのため、根本的な治療法はない。

 対症療法としては、筋肉収縮を抑えるためのボツリヌス毒素の局所注射、光のまぶしさに対する遮光眼鏡、抗けいれん薬や、抗コリン薬などの内服薬。または眼輪筋の一部を切除する手術などで対処するほかない。

 ボツリヌス注射は短時間ででき、負担も少なく、眼瞼けいれんの治療には保険適用となる。「瞼のピクピク」が長く続く場合は、軽視せずに眼科の受診が必要だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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