医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<慢性閉塞性肺疾患(COPD)>「『隠れ患者』500万人超進行すれば意識障害に」

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<慢性閉塞性肺疾患(COPD)>「『隠れ患者』500万人超進行すれば意識障害に」

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<慢性閉塞性肺疾患(COPD)>「『隠れ患者』500万人超進行すれば意識障害に」

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。その中でも「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」の患者が重篤化リスクが高いという報告がある。「慢性気管支炎」「肺気腫」などと呼ばれていた病気の総称で、通称「たばこ病」と言われるものだ。

 要するに、この病気の主な原因は喫煙。患者の90%に喫煙歴があり、喫煙者の約15〜20%が「COPD」を発症すると考えられている。

 順天堂大学医学部による大規模な疫学調査研究(01年発表)によると、40歳以上で約530万人の患者がいると推定される。しかし、17年の厚生労働省患者調査によれば、「COPD」と診断された患者数は22万人。つまり「COPD」であるにもかかわらず、受診していない患者が500万人以上存在することになる。この病気がすぐに発症せず、喫煙している間に体内でじわじわ進行し、20年以上を経て明るみに出る点も一因となっている。

 初期症状は、痰がからむ軽い咳が出る程度。起床直後に出やすく、階段や坂道を上る時に息切れをすることが。呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと喘鳴がする場合もある。進行すると、肺炎や肺高血圧症、不整脈や肺ガンのリスクも高くなる。

 最も怖いのは、気管支粘膜の腫脹と肺胞の破壊が急激に増悪する「COPDの急性増悪」だ。症状としては、息切れが強くなる、呼吸困難が悪化する、咳の回数や痰の量が増える、痰が黄色くなる、発熱する、などが見られる。

 原因はウイルスや細菌による風邪、急性気管支炎、肺炎、大気汚染などだが、3分の1が不明。肺機能の低下により二酸化炭素の排出がうまくできず、重症化すると意識障害の危険性も。リスク軽減として、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種が有効とされている。これを機に、喫煙者は禁煙することを強くお勧めしたい。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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