医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<肋間神経痛>原因不明な胸の痛み。内臓疾患との見分け方は?

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<肋間神経痛>原因不明な胸の痛み。内臓疾患との見分け方は?

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<肋間神経痛>原因不明な胸の痛み。内臓疾患との見分け方は?

 原因不明の胸の痛みに耐えきれず内科を受診したが、特に異常が認められなかった──。そんな場合は「肋間神経痛」の可能性が高い。実は「肋間神経痛」は病名ではなく、肋間神経が痛む症状の総称である。肋骨周辺に張り巡らされた肋間神経が、何らかの原因で刺激されることによって、胸に痛みが生じるのだ。

 肋間神経痛は原因が明らかな「症候性肋間神経痛」と原因不明の「特発性肋間神経痛」に分類される。

 前者の代表例が肋骨の骨折だ。激しい咳をしたり、体をひねったりするだけで、肋骨を骨折することがある。脱臼や胸椎椎間板ヘルニアなどでも生じる。特に最近多いのが、帯状疱疹ウイルスの感染の後遺症として発症するケースだ。肋骨に沿って水泡ができ、後から激痛が起こることが多く、治りにくい。

 後者は肋間神経の異常興奮とも考えられていて、突然、針で刺すような痛みがあるのが特徴だ。ストレスなどが原因という見方もある。

 肋間神経痛が疑われた場合は、肋骨や脊椎の骨折の有無を調べるためにレントゲン検査や、MRIで椎間板ヘルニアなどの有無を確認する。異常がない場合には、狭心症などの心疾患の疑いを調べるために、心電図や心臓超音波、血液検査、内視鏡検査などが行われる場合もある。

 厄介なのは、内臓疾患による胸の痛みとの見分け方にある。患部に腫れなどを生じる骨折以外は非常に診断が難しいのだ。目安としては、肋骨に沿って鋭い痛みを感じたり、痛む場所や範囲がはっきりしていたら肋間神経痛の可能性が高い。一部の例外を除き、上半身の片側だけに起こることも大きな特徴だ。痛みはかなり強く、深呼吸や咳、体をひねるなど特定の動作で生じる場合がある。

 原因不明の胸の痛みがある人は、一度医療機関を受診しよう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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