医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<水虫>「かゆい」だけではない足切断の悪夢も…

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<水虫>「かゆい」だけではない足切断の悪夢も…

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<水虫>「かゆい」だけではない足切断の悪夢も…

 夏になり、水虫に悩まされる人は少なくない。カビの一種である「白癬菌」が皮膚に感染して繁殖するからだ。スポーツジムや温泉など、裸足で不特定多数の人が歩く場所でうつされる場合が多いのもそのためだ。水虫は足に発症すると思われがちだが、手や頭、爪など体のあちこちで感染し、皮膚に赤みや水疱ができたり、カサカサしたりと症状も様々だ。決して「水虫=かゆい」だけではないのだ。

 これは白癬菌の種類によるもので、菌により症状が異なるためだという。

 例えば「爪水虫」は、爪が厚く白く、もろくなっていく。高齢者が感染すると歩きにくくなり、転倒事故につながる危険もある。

 気づきにくいのは、かかとの角質が厚くなり、ポロポロむけるタイプの水虫だ。かゆみがないだけに、単なる角質だと思っている人は多いので、注意が必要だ。

 糖尿病を患っている人の場合は、もともと免疫力が低下しているために、水虫を発症すると「糖尿病足病変」感染症を起こし、潰瘍や壊疽が起こるリスクが高まる。最悪の場合、足を切断するようなことにもなりかねない危険性もある。

「水虫」で最も重要なのは、予防と早期治療にある。家族に水虫の人がいる場合は、周囲に感染させないために、すぐに治療してもらう必要がある。お風呂のマットやスリッパなどの共有物は避けることも重要だ。ペットを飼っている人は、犬や猫の毛に寄生する白癬菌もいるため、より注意をしたほうがいいだろう。

 ポイントは皮膚の状態。ポロポロむけていたら医師の診断を受けたほうがいい。水虫と診断されると抗真菌剤という塗り薬を塗ることになるが、爪水虫は内服薬を3〜6カ月服用するのが一般的だ。最近では効果が高い塗り薬が出てきている。

 自己判断でやめずに、根気強く治療することが重要だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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