医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<睡眠時無呼吸症候群>潜在患者数300万人。10年放置で4割死亡

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<睡眠時無呼吸症候群>潜在患者数300万人。10年放置で4割死亡

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<睡眠時無呼吸症候群>潜在患者数300万人。10年放置で4割死亡

 寝ても寝ても寝足りない。昼間にも眠くてしょうがない──そんな人は「過眠症」を疑ってみてもいい。これは夜眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気があり、起きているのが困難な状態を指している。

「過眠症」にはいくつかのタイプがある。そのひとつが「ナルコレプシー」。夜に十分睡眠を取っていても昼間突然、強い眠気に襲われ居眠りをしてしまうのが特徴。居眠り時間は30分以内と短く、寝るとスッキリする。また興奮した時に突然体の力が抜けたり、寝入り時に金縛りのような状態が起こる場合もある。ナルコレプシーは10代に多く見られる。

 中高年で注意してほしいのが「睡眠時無呼吸症候群」だ。これは眠っている時に呼吸が止まり、酸欠状態になるため睡眠が中断してしまう病気だ。睡眠時に症状が現れるため、自覚していない人が多く、潜在的な患者数は国内で200万〜300万人にも上ると考えられている。

 この病気は、空気の通り道である上気道が狭くなることが原因で起こる。そのため、肥満、首が太くて短い人、顎が小さい人などは上気道が狭くなりやすく、睡眠中に咽頭の筋肉や舌の筋肉が緩む。すると一段と気道が狭くなり、呼吸がしづらくなる。通常はいびきを生じるが、空気の通り道が一時的につぶれてしまうと無呼吸を引き起こす。

「睡眠時無呼吸症候群」により、熟睡できずに昼間に眠気が強くなり、集中力が低下。場合によっては、交通事故を引き起こす危険もある。

 夜間の長時間の酸欠状態により、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まったり、糖尿病の悪化といった生活習慣病のリスクも高まる。中等症以上の「睡眠時無呼吸症候群」を放置すると、10年後には3〜4割が死亡するとも言われているので、早期治療が大切だ。

 寝ても寝ても眠い状態が3カ月以上続いているなら、睡眠外来の医療機関を受診してみたほうがいい。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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