埼玉・愛犬家殺人事件「死刑判決」風間博子の獄中書簡を独占公開!(1)再審請求棄却の心境を語る

埼玉・愛犬家殺人事件「死刑判決」風間博子の獄中書簡を独占公開!(1)再審請求棄却の心境を語る

埼玉・愛犬家殺人事件「死刑判決」風間博子の獄中書簡を独占公開!(1)再審請求棄却の心境を語る

 93年に発生した「埼玉・愛犬家殺人事件」は、今年3月に関根元死刑囚の病死により幕を閉じたかに見えた。ところが、“主犯”と目されていた風間博子死刑囚は現在も冤罪を主張し、事件の再審請求を行っているのだ。獄中の風間死刑囚は何を思うのか。事件発生当時から取材を続けるジャーナリストが、その最新の肉声を独占公開する──。

〈ウギャギャギャー。さいたま地裁から再審の棄却決定(2017年1月6日付)が届きました。年明け早々に──。さっそく、即時抗告申立書作成に取りかかります〉(1月7日)

〈即時抗告申立書提出。連休明けの今日ではなく、ついさっき迄、明日(11日)提出しようかと思っていたけど、これだけ書けば、ま〜いっか! と提出(^_^) 年明け最初の仕事(!?)が終了しホッ!と一息〉(1月10日)

 漫画風の叫び声や、今時の絵文字なども書かれた文章ながら、その内容は実にセンセーショナル。これは94年に大々的に報じられた埼玉・愛犬家殺人事件で、殺人や死体遺棄などの容疑で逮捕された風間博子死刑囚の日誌なのである。風間の日誌は、支援者が発行している「ふうりん通信」で読むことができる。

 09年に死刑が確定した風間の、再審請求棄却という一大事にもかかわらず、語り口はきわめて軽妙だ。

 即時抗告というのは、裁判における控訴と同じような手続き。地裁で棄却された場合、高裁で審理してもらうための措置だ。風間は今も冤罪を主張し「私は病死した関根元に犯人に仕立て上げられた」と裁判のやり直しを今も求めているのだ。

 さらにこの文章には、続きがある。

〈私が即時抗告申立書の提出を(1月)11日にしようかとなぜ思っていたかというと、それは福島議員作成の『再審と恩赦』という小冊子に『即時抗告の期間は、決定が届いた日の翌日を1日と数えて3日間(以内)です。土・日曜祭日は計算に入れません。例えば、水曜日に届いた場合は、土・日曜日を飛ばして月曜日が最終になります。その月曜日が祭日なら火曜日になります』とあり、12日が期日だと思ってたからです。でも土日祭も計算に入るとのこと、10日に出して本当に本当に本当によかった!〉(1月12日)

 この文章に登場する「福島議員」こそ、社会民主党副党首である福島瑞穂参院議員。死刑制度反対の立場を取る福島議員は、東京大学法学部出身で、現在も資格を持つ弁護士でもある。風間が拘置所で手に取っていた小冊子の記載どおりに即時抗告の手続きを取っていた場合、風間の申し立ては、期日に間に合わず、再審棄却が確定してしまったかもしれなかっただけに、風間の文章からは安堵の様子がうかがえる。

 福島議員の記述に従って即時抗告を出していたら、期日に間に合わず、〈福島議員ダメじゃん──ですよね。ヘタしたら訴訟ものですよ(大笑)〉と風間は手紙に記しているのだった。

●埼玉・愛犬家殺人事件とは●

 1994年2月、埼玉県熊谷市にあるペットショップに出入りする人物が次々と亡くなるという事実が明らかになった。その渦中にいたのが、犬のブリーダーだった関根元と風間博子の夫婦だった。トラブルメーカーとして知られていた夫婦の周辺では計4人が死亡。「遺体なき殺人」として捜査は難航を極めたが、経営するペットショップの役員の供述などにより立件された。2009年6月に関根、風間両被告の死刑が確定。現在、風間死刑囚は2度目の再審請求を行っている。

ジャーナリスト 深笛義也

関連記事(外部サイト)