ヤクザ界に大激震!工藤会の首領「死刑判決」の衝撃と暴力団への今後の影響

工藤会の首領・野村悟被告に死刑判決 今後の警察の暴力団捜査に影響か

記事まとめ

  • 野村悟被告は「全然公正やないね。あんた、生涯後悔するぞ」と退廷間際に述べた
  • 「間接証拠から両被告の関与は推認できない」と主張も、認められなかった
  • 今後は暴力団であるがゆえに、間接証拠によって罰せられる可能性があるという

ヤクザ界に大激震!工藤会の首領「死刑判決」の衝撃と暴力団への今後の影響

ヤクザ界に大激震!工藤会の首領「死刑判決」の衝撃と暴力団への今後の影響

自宅から出てきた「工藤会」の野村悟総裁(中央左)と田上不美夫会長(同右)/(C)共同通信社

「公正な判断をお願いしたけどね。全然公正やないね。あんた、生涯後悔するぞ」

 まさかの死刑判決を下された特定危険指定暴力団工藤会」(北九州市)の首領、野村悟被告(74)は退廷間際、足立勉裁判長にこうスゴみ、無期懲役とされたナンバー2の田上不美夫被告(65)は「ひどいね、足立さん」と吐き捨てた。傍聴席で判決を見届けた組関係者の男性は「むちゃくちゃだ」と苦虫を噛み潰したようにつぶやいた。

 一般市民が殺傷された4つの襲撃事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われた工藤会の野村総裁と田上会長の判決が24日、福岡地裁であった。

 裁判長は4事件すべてについて関与を認定し、野村被告に求刑通り死刑、田上被告に無期懲役の判決を言い渡した。

 判決を前にして「無罪で間違いない」と自信を見せていたという野村被告は午前10時ごろ、黒のスーツに白いシャツ姿で入廷。傍聴席に目をやり、弁護団の前の長椅子に座った。主文の言い渡しが後回しにされ、厳刑が予想された時も動揺した様子は見せなかったが、閉廷が告げられると、一転、裁判長の制止を無視して詰め寄った。

「元漁協組合長射殺、元福岡県警警部銃撃、看護師刺傷、歯科医刺傷事件のいずれも2人の関与を示す直接証拠はなく、実行犯との共謀が認められるかが焦点でした。裁判長は漁協組合長射殺については野村被告が実行犯に指示し、他の3件も野村被告の指揮命令があったと認定した。元漁協組合長射殺と歯科医刺傷は港湾事業を巡る利権が目的で、元警部銃撃は取り締まり強化に対する警察への牽制、看護師刺傷は個人的な恨みだった。弁護側は『間接証拠から両被告の関与は推認できない』と全事件で無罪を主張していたが、認められませんでした」(司法記者)

■どれだけ抵抗しようが警察の思うがまま

 指定暴力団トップへの死刑判決は初めてのこと。ヤクザ界に大激震が走った。今後、どう影響するのか。暴力団に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏がこう言う。

「他の暴力団も工藤会に対しては、やり過ぎだと思っていた。一般市民を平気で殺傷し、利権の獲得に精を出していた。ただ今回の判決に関しては物証がない中、警察に便宜を図ってもらった元組員の証言などで構成され手続き的に問題があった。暴力団がどれだけ抵抗をしようとも、やろうと思えば警察の思うがまま。法の下の平等が大きく歪められてしまった。暴力団であるがゆえに、間接証拠によって罰せられる可能性があります」

 今回の判決で今後の警察の暴力団捜査に影響を与えるのは間違いない。

「今後も組長の罪が問われるケースが出てくると思いますが、すでに組織犯罪処罰法など、暴力団のトップを狙い撃ちする法律がある。組側としたらこれまで以上に警察に情報が流れないように規律を厳しくしたり、誰が暴力団員であるかを隠し、登録もしないなど、ますますアングラ化が進むのではないか」(溝口敦氏)

 ヤクザはヤクザで生き残りに必死。ますます実態が把握できなくなる。

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