渋谷焼き肉店でも立てこもり 相次ぐ「京王線ジョーカー無差別殺傷事件」模倣犯の共通項

渋谷焼き肉店でも立てこもり 相次ぐ「京王線ジョーカー無差別殺傷事件」模倣犯の共通項

騒然とする渋谷の事件現場(C)共同通信社

「最近あった電車内での事件のようにしたかった」

 東京都渋谷区代々木の焼き肉店「焼肉牛星代々木店」で8日夜、男が男性店長(49)を人質に取り、約3時間立てこもった事件。翌9日、監禁の疑いで警視庁に現行犯逮捕された住所、職業不詳の荒木秋冬容疑者(28)は調べに対し、こう話している。

 昨年10月31日、渋谷の街がハロウィーンで賑わう夜を狙い、ジョーカーに扮した住所、職業不詳の服部恭太容疑者(25)が京王線の車内で起こした「無差別刺傷事件」に触発されたとみられる。

 約2週間前の12月下旬、荒木容疑者は実家のある長崎県から上京。新宿中央公園付近で路上生活をしていた。8日午後6時半ごろ、新宿駅に向かう途中、たまたま店の看板が目に留まり、逮捕される前に焼き肉が食べたくなり、約6000円分飲み食いをし、所持金を使い果たした。

 食後、店長に「爆弾を起動した。警察に連絡しろ、騒ぐな」と書いた紙ナプキンを渡し、店内にいた客と従業員約20人が避難。店はJR代々木駅西口から約150メートルの建物の地下1階にあった。

 荒木容疑者は爆弾に見せかけた粘着テープや携帯電話が取り付けられた箱3個を店に持ち込み、入り口付近に椅子を並べてバリケードを築いた。店にあった刃渡り30センチの牛刀を手にし、酒を飲みながら籠城。説得にあたった捜査員に「オレの人生を終わらせてくれ」「死刑にしてくれ」と叫んだ。

 警視庁の特殊犯捜査係が店長を入り口と反対側の裏口に誘導し、スキを見て救出。店内に閃光弾を投げ入れ、「パン、パン、パン」という音とともに捜査員が一斉に突入した。

 荒木容疑者は犯行の動機について「定職についたことがなく、ホームレス生活をしている間に生きている意味が見いだせず、大きな事件を起こして死刑になりたかった。警察に捕まって、人生を終わりにしたかった」と供述しているという。

■孤立感、絶望感、自暴自棄、復讐心、死刑願望…

 福岡から上京して京王線で事件を起こしたジョーカー男もまた、「仕事を失って嫌になった。友人関係がうまくいかないので、死にたいと思った。2人以上殺して死刑になりたかった。人をたくさん殺すには、東京がいいと思った」と、話していた。

「服部容疑者も、昨年8月に起きた小田急線刺殺事件を模倣している。犯人の動機は『被害女性が勝ち組に見えた』という身勝手な理由でした。服部容疑者は初めてできた彼女にフラれ、アルバイト先の漫画喫茶で盗撮事件を起こし、顧客からのクレームをきっかけにコールセンターの仕事を辞めている。模倣犯に共通するのは、自分がまいたタネなのに、他人や社会のせいにして逆恨みする傾向がある。絶望感を味わい、自暴自棄になり、復讐願望を抱く。京アニ事件を模倣し、大阪・北新地のビルに放火した谷本盛雄容疑者(61)も離婚し、一人暮らしの寂しさから絶望感を抱き、情緒が不安定になり、『皆に縁を切られた』とコボしていた。皆、社会から孤立して、自分の不幸さを責任転嫁している」(捜査事情通)

 たまたまその場に居合わせただけで巻き込まれる方はたまらない。

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