
元読売ジャイアンツ・小野仁被告の転落人生 昨年に会社を退職し、盗品を売って生活
2022年05月06日 12時30分 日刊ゲンダイDIGITAL
2022年05月06日 12時30分 日刊ゲンダイDIGITAL
2022年05月05日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL
巨人入団1年目の小野仁被告(C)日刊ゲンダイ
高校生で日本代表入りし、アトランタ五輪で銀メダルを獲得した「球界の元エリート」は盗んだ酒をネットで売りさばき、生計を立てていた。
秋田市や千葉市の量販店で高級シャンパンやウイスキーを万引したとして、窃盗罪に問われた元プロ野球選手で無職の小野仁被告(45)の論告求刑公判が4月21日、秋田地裁で開かれ、検察側は懲役3年を求刑した。
小野被告は1996年ドラフト2位で巨人に入団するも、2003年に移籍先の近鉄から戦力外通告を受けた。プロ7年間で通算3勝(8敗)と、結果を残せなかった原因はイップスだった。引退後は横浜市内の市場で鮮魚を運んだり、宅配業や清掃業、パン屋、焼き鳥屋で働き、キャバクラで黒服をした時期もあった。
17年、元プロ野球選手の紹介でヘルスケア機器メーカーに就職。人材開拓課で元アスリートのセカンドキャリアサポートや大学生の就職支援活動を行うなど、ようやく安定した生活を送っていた。
ところが、20年ごろから新型コロナウイルスの影響で減った給料の不足分を補うため、酒やゴルフ用品を盗んでは、フリマサイトで売るように。昨年9月に会社を退職。以降、盗品を売った金で生活していた。
「小野被告は車で量販店に立ち寄り、店員が見ていない隙に、買い物カゴに入れたウイスキーをカバンに移し、持ち去っていた。ウイスキーがなくなっていることに気付いた従業員が会社に報告。警戒していると、小野が別の系列店に車で現れ、犯行を繰り返していた。店員が車のナンバーを控え、そこから足がついた」(捜査事情通)
警察が横浜市の1LDKの自宅をガサ入れしたところ、無包装のままや箱に入った「余市」や「知多」「シーバスリーガル」が約400本見つかった。すべて未開封で販売目的の盗品だった。
「超高校級の逸材」と期待されながらイップスで引退に追い込まれ、ようやく手にした「第二の人生」もコロナで失った。挙げ句の果てがブタ箱にブチ込まれるとは、自業自得とはいえ、哀れとしか言いようがない。
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