ゴーン前会長を異例の再逮捕 “無罪資料”強奪に透ける特捜部の焦り

日産自動車前会長カルロス・ゴーン容疑者を異例の再逮捕 打ち合わせ資料を盗み見か

記事まとめ

  • 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が東京地検特捜部に再逮捕された
  • 保釈中の被告人の身柄を拘束する異例の逮捕劇からは特捜部の"焦り"が透けて見えるそう
  • ゴーン氏の弁護活動を妨害するため打ち合わせ資料を盗み見たいからと思われて当然とも

ゴーン前会長を異例の再逮捕 “無罪資料”強奪に透ける特捜部の焦り

ゴーン前会長を異例の再逮捕 “無罪資料”強奪に透ける特捜部の焦り

特捜部が恐れる男(弘中弁護士)が激怒の会見/(C)日刊ゲンダイ

「『無罪請負人』の手の内を知るためだったのではないか」――。4日早朝、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が東京地検特捜部に再逮捕されたことを受け、こんな声があがっている。ゴーン容疑者側の「裁判対策資料」まで押収したからだ。ゴーン逮捕は、これで4回目。保釈中の被告人の身柄を拘束するという、極めて異例の逮捕劇からは、特捜部の“焦り”が透けて見える。

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「文明国としてあってはならない暴挙だ」

 ゴーン容疑者の弁護人を務める「無罪請負人」こと弘中惇一郎弁護士は、4日の外国特派員協会での会見で、突然のゴーン逮捕にこう憤った。

 弘中弁護士が会見で強調したのは、特捜部の捜査手法への疑問と不信だ。裁判所がゴーン容疑者の保釈を認めた事実に触れ、「身柄拘束を利用して圧力をかけるのは『人質司法』だ」と語気を強めた。

 今回の逮捕容疑は、中東オマーンの販売代理店を通じて、日産の資金を不正に取得した特別背任容疑である。

 ゴーン容疑者は、4回目の逮捕容疑を含め、全ての容疑を否認している。3日に自身のツイッターで「4月11日木曜日に記者会見をします」と告知した直後の逮捕だったこともあり、弘中弁護士は会見で、特捜部による身柄拘束を「一種の口封じだ」と批判。4回目の逮捕容疑について、「追起訴でおさまる話」と強調した上で、「(ゴーン容疑者を)早期に解放したい」と語った。

■妻の携帯電話やパスポートまで押収

 弘中弁護士が激怒したのは、証拠隠滅や逃亡の恐れがない保釈中の被告人をパクるという異例の逮捕に加えて、これから始まる裁判に関係する資料まで持ち去られたからだ。特捜部はゴーン容疑者の日記や電話、果てはゴーン容疑者の奥さんの携帯電話やパスポートまで押収したという。

 弘中弁護士は会見で、特捜部のやり方を「明らかな防御権、弁護権の侵害である」と強調。「逮捕に伴う押収の名目のもとに、弁護に必要な、あるいは、被告人として公判活動に必要な資料を持っていく。これがひとつの目的だったと考えざるを得ない」と断じた。

 ゴーン容疑者の電撃逮捕からは、弘中弁護士に恐れをなした特捜部の姿が透けてくる。元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏がこう言う。

「ゴーン氏の4回目の逮捕は、これまでの起訴内容では有罪にできないという、特捜部の自信のなさの表れでしょう。有罪に持ち込む自信があれば、とっくに追起訴しているはずですから。保釈から1カ月というタイミングでの逮捕は、ゴーン氏の弁護活動を妨害するため、打ち合わせ資料を盗み見たいからだと思われて当然です。ゴーン氏の私物に限らず、奥さんの携帯電話やパスポートまで押収したのは、ゴーン氏が保釈条件に違反していないかチェックするためだと考えられます。いずれにせよ、検察は、抵抗するゴーン氏を徹底的に絞り上げるつもりでしょう。組織防衛のために一個人を潰しにかかるとは、まるで『権力マフィア』ですよ」

 ゴーン容疑者の“暴露会見”が予定通り行われない場合、弘中弁護士はゴーン容疑者の動画メッセージを公開する意向を示している。特捜部はまさか、ゴーン容疑者を再び100日間閉じ込めるつもりなのか。

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