松本市スナック薬物殺人未遂事件 不起訴の美人ママ激白<下>

松本市スナック薬物殺人未遂事件 不起訴の美人ママ激白<下>

中原加奈美さん(C)日刊ゲンダイ

殺人未遂容疑で逮捕され、勾留後、不起訴処分になった中原加奈美さん(36)は発達障害を抱えた高校生の息子と2人暮らしだった。

 とにかく息子のことが心配でした。接見禁止だったので両親に手紙を書くこともできず、弁護士を通じて「うちらでできることはするから」というメッセージをもらいました。2月の長野の留置場は寒く、下は畳1枚です。私は事件後、子宮がんの手術を受け、子宮とリンパを全摘し、血管にも転移していたので、抗がん剤治療を続けていました。

 地べたにずっと座っていると、足がパンパンになるんです。ちょっとでも乾燥して菌に感染すると、リンパ浮腫という病気になって、ヘタすると死に至ります。ですが、中では医療用のタイツをはくことも認められず、それを説明しても対応してくれない。環境面まで調べた上で逮捕するなり、事情聴取してもよかったのではと思います。

 勾留中、店は休業を余儀なくされたが、一方で家賃を含め、固定費の支払いは待ってくれない。

 1カ月の売り上げがまるまる入らなくなり、店が入っているビルから弁護士を通じて「退去して欲しい」という通知が来ました。私の名前がメディアに取り上げられ、クレジットカードで支払いができない店になった。カラオケ会社からは「いったん契約を切らせてもらいます」と一方的に通達され、保険会社に勤める友人に保険の相談をしたら、「新聞やテレビに出た人は無理だよ」って言われました。

■「不当逮捕で多くのものを失った」

 逮捕は実名報道だったが、不起訴になると匿名報道に変わる。名誉を回復するには、顔を出して無実を訴えるしかない。

 警察も検察も「誤認逮捕」とは認めたくないから、不起訴の理由を言わないのでしょう。不起訴が決定した時点で、裁判は行われません。身柄を拘束されても国の補償の対象にはならず、何より、名誉は回復されず、被害の補償は何ひとつありません。多くのものを失いました。

 中原さんは3月1日に釈放され、5日には店を再開した。

 突然、涙があふれ出たり、お客さんの大声や大きな音が嫌になったり。きっとあの人たちは、私のことを悪く言ってるんじゃないかと勝手に想像してしまいます。お客さんのちょっとした言い方に敏感に反応して、泣きながら怒っちゃったり。気持ちの余裕がない感じですかね。ほんと病んじゃいました。せめて警察や検察も「ごめんね。済まなかったね。オレらも仕事だから」って言ってくれたらまた違ったんでしょうけど。

 誰でも間違いはあるし、でも間違ったら謝るのが義務じゃないのかなあ。そう思うと警察って何なのだろう、市民を守るのが仕事かもしれないけど、これじゃ市民を汚すのも警察じゃないかと思ってしまいます。再開後、お客さんが、「おまえがそんなことをするはずがないとずっと思ってた」って言ってくれたのが、せめてもの救いですかね。

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