一般道を140km超で タクシーに衝突したIT企業元社長“狂気の沙汰”

一般道を140km超で タクシーに衝突したIT企業元社長“狂気の沙汰”

ベンツに激突された5人が乗っていたタクシー(C)共同通信社

追突されたタクシーの車体は「くの字」にひしゃげ、衝撃のすさまじさを物語っていた。

 昨年12月29日午後9時50分ごろ、三重県津市の国道23号で白のベンツがタクシーに衝突し、タクシーの運転手と乗客の男性3人が死亡した事故で、同県警津署は28日、ベンツを運転していた津市のIT企業「ビーイング」元社長の末広雅洋容疑者(56=津市白山町)を自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで逮捕した。

 亡くなったタクシーの乗客は空調設備会社の役員や同僚ら。国道沿いの和食店で忘年会を終えた後、2台のタクシーに分乗し、約1キロ離れた市内の2次会の居酒屋に移動するところだった。周辺は雨が降っていて、駐車場を出たタクシーは中央分離帯の開口部を横切って反対車線に出て右折しようとしていた。左折して次の信号でUターンするより早いからだ。

 タクシーが中央分離帯に差し掛かる手前で、右側からグングン加速したベンツが時速140キロ超の猛スピードで直進してきた。追い越し車線から中央車線に車線変更をした瞬間、タクシーの右側面に激突。車は大破し、運転手と助手席、後部座席の3人が全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡。後部座席にいた残り2人のうち、意識不明だった1人も後に亡くなった。

 現場は片側3車線の直線道路で、制限速度は時速60キロ。周辺を走っていた車のドライブレコーダーの映像などから、140キロ程度で走行していたことが分かった。県警は5月、道路上に水をまき、事故当日と同じ状況をつくり、事故車と同じ車種のベンツを走行させて検証を行った。

「道路脇から車が出てくる可能性がある一般道で、衝突を避けられないスピードで運転していたと判断した。酒? それは言えない。タクシーは吹っ飛ばされ、乗車していた5人のうち4人が亡くなったのだから、衝撃は相当なもの。追突したのがベンツだったというのも、被害を拡大させたかもしれない。末広容疑者は帰宅途中で、普段からかなりスピードを出していたようだ」(捜査事情通)

 近隣住民がこう言う。

「もともと、ここが地元の人です。300平方メートル超の敷地内に2軒の家があり、隣には両親が住んでいます。ご主人は事故を起こした後、仕事をやめ、お嬢さん2人と奥さんの4人で普通に生活していましたよ」

 一般道で140キロ超とはまさに狂気の沙汰だが突然、夫や父親の命を奪われた家族の気持ちを思うと不憫でならない。

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