メディアの東京五輪狂騒 聖火ルート発表だけでバカ騒ぎの愚

メディアの東京五輪狂騒 聖火ルート発表だけでバカ騒ぎの愚

大ハシャギ(右は公式アンバサダーの野村忠宏氏)/(C)共同通信社

ここまで大騒ぎするニュースなのか。2020年東京五輪の聖火リレーのルート概要が1日発表されると、全国紙は当日夕刊の1面トップでデカデカと報道。2日も全紙が朝刊で1面のほか、複数ページを割いて大ハシャギだ。

 ルートは世界遺産や東日本大震災などの被災地、「インスタ映え」する名所を回り、日本の魅力を世界に情報発信する狙い。各紙の見出しも大会組織委員会の思惑通り、「聖火が照らす被災地」(毎日)、「復興・文化 伝える機会」(朝日)など祝祭ムード一色。読売は見開き2ページで来年3月26日のスタートから7月24日の開会式まで121日間に及ぶ全行程を伝える熱の入れようだ。

 いくら、朝、毎、読、日経が年間20億円程度のスポンサー料を払って、東京五輪の「オフィシャルパートナー」を担っているとはいえ、やりすぎ感がハンパない。

 IOCは聖火リレーに関し「分火せず、100日以内」と定めるが、日本全国をくまなく回るため、組織委はIOCに日程延長を直談判。例外的に認められたという。そこまでして醸成させたい「オールジャパンの一体感」とは何なのか。予想されるリレーの光景も異様そのものだ。

「スポンサー企業のロゴ入りトラック数台が音楽を大音量で流し、リレーを先導。車列は数百メートルに及びます。ランナーはテレビカメラに向かってポーズを取ったり、メッセージを伝えながら、約1万人が200メートルおきに聖火をつないでいく予定です」(組織委関係者)


■主催者側に立ち復興置き去り批判せず

 このドンチャン騒ぎが開会式まで約4カ月も全国で続き、連日のメディアの狂騒を思うと、今から目まいがする。

 関連経費を含めると、予算は100億円規模に上りそうだが、大会組織委はマンネリ打破の「サプライズ」で、トーチを宇宙に運ぶ案などを検討中というから、どんどん膨らんでもおかしくない。

「“復興五輪”を強調しながら置き去りの被災者を思えば、その金を被災地に回せとメディアは報じるべきでしょう。五輪は牧歌的な文化事業と違い、政治利用が危ぶまれる国際イベント。政府と一体となって催す側に立ち、問題点を批判しないのはメディアの自殺行為です。墓穴を掘っていることを知りながらスポンサーとして大会を支えれば、改元に続き五輪を政権浮揚に結び付けたい時の為政者の思うツボです」(法大名誉教授の須藤春夫氏=メディア論)

 バカ騒ぎにのみ込まれてはいけない。

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