池袋暴走事故ようやく実況見分 飯塚元院長の逮捕はあるのか

池袋暴走事故ようやく実況見分 飯塚元院長の逮捕はあるのか

処分を軽くする魔法の杖?(飯塚元院長=中央)/(C)共同通信社

「なぜ逮捕されないのか?」――。旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)が13日、死亡事故の実況見分に立ち会ったニュースを見てこう思った人もいるだろう。飯塚元院長は4月19日に豊島区東池袋の都道を暴走。交差点に突っ込んで3歳の女児とその母親(31)を死亡させた。本人も大ケガを負って入院し、5月18日に退院している。

「実況見分では退院時と同じように両手に杖を突いてましたが、よく見ると杖が2本とも宙に浮いている場面もあった。杖なしでも歩けるようです。世間に同情してもらい、処分を軽くしてもらうための小道具として杖を持ってきたと思われても仕方ないでしょう」(捜査事情通)

 事故発生から約2カ月。不思議なのは2人の命を奪った重大事故を引き起こしながら、飯塚元院長がいまだに逮捕も書類送検もされていないことだ。ネットでは彼が東大卒のエリート官僚だったため、「上級国民だから逮捕されないのか」といった怒りの投稿が相次いだ。

■高い確率で実刑判決

 なぜ逮捕されないのか。警視庁に問い合わせたところ「まだ捜査中なのでお答えできません」(広報課)との回答。答えられないと言われると、ますます疑問が強まるのだ。

「警視庁は後悔していると思います」とは元検事で弁護士の落合洋司氏。

「逮捕は懲罰ではなく、被疑者に証拠隠滅や逃亡をさせないための措置なのです。飯塚元院長は高齢で大ケガを負い、逃亡の可能性もないので、すぐに逮捕しなかったのでしょう。警察が87歳(事故当時)の老人に忖度したとは考えられません。ただ、彼の逮捕が見送られたため、世間は『不公平だ』と騒いだ。予想外の反響に警視庁は今ごろ『あのとき逮捕しとけばよかった』と悔やんでいるはずです。その日のうちに逮捕し、留置場でなく病院に送る形にしたほうがよかったかもしれません」

 落合氏よると、高齢の容疑者は持病があったり体の抵抗力が弱かったりする。留置中に死なれたら警察の責任問題だ。だから「そこまでして身柄を押さえる必要はない」との判断が働くことがあるという。死亡事故のほとんどは容疑者をその日のうちに逮捕して留置しているが、これは容疑者が罪悪感からパニック状態になって自殺するケースがあるから。留置したほうが安全なのだそうだ。

 飯塚元院長はいつ逮捕されるのか。

「いまさら逮捕はないでしょう。実況見分調書ができあがるまで2、3週間かかり、そのあと書類送検され、起訴されることになります。夏休みシーズン直前の7月中旬の起訴が妥当な線。裁判でブレーキとアクセルを踏み間違えたと認定されれば、運転の最も重要な基本ができていなかった、しかも2人が死亡したということで情状酌量の余地がなく、高い確率で実刑判決が下る。量刑は懲役2年半から3年と思われます」(落合洋司氏)

 ネット住民は、まだしばらく悶々と過ごすことになりそうだ。

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