“姥捨て山”批判も 杉並区が遠く静岡に特養施設をオープン

杉並区が南伊豆町・特別養護老人ホームの入所者を募集 「姥捨て山」と批判の声も

記事まとめ

  • 東京都杉並区が特別養護老人ホーム「エクレシア南伊豆」(仮称)の入所者募集を始めた
  • 静岡県南伊豆町に来年開設予定で、50床程度の入居枠に5人の申し込みがあったという
  • あまりにも遠く離れた土地に特別養護施設を造ったことで「姥捨て山」と批判の声も

“姥捨て山”批判も 杉並区が遠く静岡に特養施設をオープン

“姥捨て山”批判も 杉並区が遠く静岡に特養施設をオープン

杉並区特養施設の申込み説明会(HPから)

 これは平成の“姥捨て山”なのか――。

 24日、東京都杉並区特別養護老人ホーム「エクレシア南伊豆」(仮称)の入所者募集を始めた。区によると、来年3月に静岡県南伊豆町に開設予定で、50床程度の入居枠に5人の申し込みがあったという。

「区内1000人の特別養護老人ホーム入所待機者に案内したところ、今月15日の説明会に88人が集まりました」(杉並区総務部広報課)

 杉並区は、施設の整備費に6億円を投じ、運営費として年間600万円を出す。入所者の医療費や生活保護費なども負担する予定だという。

 しかし、あまりにも遠く離れた土地に特別養護施設を造ったことで、「これでは姥捨て山だ」と批判の声が上がっているという。現地を視察した堀部康杉並区議がこう言う。

「区の言い分としては、区内で特養ホーム用の土地を購入するよりも安く済むということですが、距離が遠すぎる。片道約200キロで、私が都内から特養ホームまで車で行ってみたら片道4時間かかりました。これでは家族は1週間に1度どころか、月に数回行くこともできません」

 どうやら、「カネは払うから」と人口8000人の過疎地に、介護が必要な老人を“託した”形のようだ。

 南伊豆町にとっても、負担ゼロのうえ、雇用の場がうまれるメリットがあるという。

 入所資格者は要介護度3以上。一般的に要介護度3以上は、排泄や食事、入浴といったすべてのことに介助が必要とされる。施設に入れられた老人は、なかなか家族に会うことができず、寝たきりになる恐れがある。しかも南伊豆町内には、重症者を救急搬送する病院がないという。

 数年前、都内の施設に入れない墨田区の高齢者200人が、茨城109人、群馬34人、千葉16人などと全国各地の施設に入っていたことが問題になった。

「やすらぎの郷」なんて夢のまた夢か。


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