ワルがワルを狙う “密輸犯vs襲撃犯”金塊取引情報流出の謎

ワルがワルを狙う “密輸犯vs襲撃犯”金塊取引情報流出の謎

急増する金塊取引(写真はイメージ)(C)ロイター=共同

 今年4月、大阪市中央区南船場にある貴金属店前の路上で、金塊密輸犯の男2人が別の3人組の男に襲撃され、約7000万円が入った紙袋を奪われそうになった事件。

 大阪府警捜査1課は1日、昨年7月19日に香港から7200万円相当の金塊16キロを中部国際空港に密輸し、消費税570万円を免れた関税法違反などの疑いで、愛知県東浦町の建設会社経営、吉野剛(42)、東京都港区の自営業、西川高広(35)両容疑者を再逮捕。新たに東京都大田区の自営業、井上正嗣容疑者(38)を逮捕した。

 吉野容疑者と西川容疑者の2人は4月28日、シンガポールから6815万円相当の金塊15キロを関西国際空港まで隠して持ち込み、その足で大阪・ミナミの貴金属店に行った。

 2人は店の近くで、金塊入りの袋を別の男に渡して換金を依頼。現金を受け取った直後の午後1時すぎ、2人は3人組の男に催涙スプレーを吹きかけられた上、何度も顔面を殴られ、骨折などの重傷を負った。1人が密輸犯ともみ合いになっている間に、襲撃犯の2人は現金を取らずに逃走した。

「吉野容疑者は井上容疑者と2人ないし数人で、過去十数回以上、東南アジアを中心に海外へ渡航しとる。まだ裏付けはできてへんけど、密輸を繰り返しとったとみて、調べを進めているところや。密輸犯は全員住所もバラバラやし、どういういきさつで知り合うたのか、供述は得られてへん」(捜査事情通)

■密輸犯、襲撃犯とも口つぐむ

 一方、同府警は7月5日、吉野容疑者らを襲撃した3人組のうち、事件当日に逮捕され、強盗傷害で起訴されている阿部剛容疑者(26)のほか、いずれも住所不定、無職で剛の兄の阿部貞(31)、仙波烈王(22)両容疑者の顔写真を公表し、公開手配。2人は10日、別々に愛媛県警新居浜署に出頭した。貞容疑者は「家族や知人に迷惑がかかるので出頭した」と言い、仙波容疑者は「これ以上テレビに顔を出されたくなかった」と供述したという。

「3人とも地元警察も把握している、愛媛では札付きのワルで前科もん。暴力団関係者との付き合いもあるようや。公開手配して顔を出したから、『もう逃げきれへん』と観念したんやろう。ただ自首したのに、まだ何もしゃべってへん。弁護士も入っとるし、恐らく逃げてる間に口裏を合わせよういうことになったんやろ。どうやって換金する情報を知り得たのか、密輸犯との接点はどこにあるのか。密輸犯も襲撃犯も今のところ、一切口を割ってへん。金塊を持ち込むいう情報が入ってこうへんかったら、犯行に及ばれへんわな。これだけダンマリを続けるということは、ヘタなことをしゃべったらヤバイ事情があるんちゃうかな」(前出の捜査事情通)

 現場付近では昨年3月、男性が金を換金した直後、2人組の男性に5600万円が奪われる事件が発生し、後日、暴力団員が逮捕された。また8月にも別の男性が、バイクに乗った2人組の男に、2800万円相当の金の延べ棒6本をひったくられる事件が起きている。さらに今年4月20日には福岡市内で、貴金属店勤務の男性が金塊購入のために銀行で3億8000万円を引き出したところを襲われ、金を奪われている。

 ワルの間で、何らかの裏情報が流れているのは間違いなさそうだ。

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