10日前にも被告取り逃がし「あり得へん」大阪地検の大失態

10日前にも被告取り逃がし「あり得へん」大阪地検の大失態

逃走した大植良太郎被告(身柄が確保された現場=右)/(C)共同通信社

先月30日、大阪地検が49歳の女を取り逃がしてからわずか10日。しかも事件発生の2日前、同事件を受け、地検の総務副部長が収容担当者に注意を促したばかりだった。

 大阪地検が9日、ワゴン車で護送中だった大植良太郎被告(42=覚醒剤取締法違反などの罪で公判中)を逃がした事件。大阪府警は11日午後2時ごろ、逃走中の大植被告の身柄を大阪市北区の十三大橋上で確保した。大植被告は逃走時の紺色のシャツではなく、クリーム色のフリースを着て眼鏡をかけ、マスク姿。パトカーの後部座席で捜査員2人に挟まれ、連行された。

 逃走劇は9日午前4時前に起きた。府警河内署の警察官から身柄の引き渡しを受けた地検の検察事務官3人が、大植被告と3列シートのワゴン車に乗り込んだ。

 大植被告を最後列に座らせ、女性の事務官が運転席、男性事務官がそれぞれ2、3列目に座り、約1・8キロ東の枚岡署に向かった。

 目的地まで残り600メートルに迫ったところで、大植被告が「手錠がきつい」と訴えた。事務官が左手の手錠を外すと、大植被告は突然、暴れ出し、シートを乗り越えて前列に移動。スライドドアを半分開けたことから、危険だと判断して車を停止させた。その隙に外に飛び出そうとしたため、車内の事務官が腰縄を引っ張り、別の事務官2人が車外から押し込もうとしたが、取り押さえられず、腰縄と手錠をつけたまま裸足でまんまと逃げられた。

 目的地まであと600メートルなら、時速50キロで1分もかからない。地検の内規では食事やトイレなどの必要がある場合、状況を判断して事故防止に注意し、手錠などの一部を外すことができると規定。大阪地検は「今回のケースは内規違反には当たらない」としている。

■本来なら3列護送でチャイルドロック

 府警の関係者が「話を聞いて、そんなことあり得へんと思ったわ」とあきれ顔でこう続ける。

「ワッパをはめて署に放り込むだけのこと。これが警察官やったら『きつい』なんてぬかしよったら、『我慢せんかい』言うてしまいや。警察では、被疑者を真ん中に座らせて両側を警察官で挟む『3列護送』が徹底されとるし、必ずチャイルドロックをかける。事務官は逮捕術も学んでへんし、逃走を防ぐ能力もあらへん。いうたら犯人の扱いに関してはズブの素人みたいなもん。ただの背広着た役人やで。そんなんがたった3人でシャブ中を護送なんて考えられへん。実際、みすみす取り逃がしたうえ、追い掛けることもでけへんかったんやからな」

 専門的な能力も持たず、車で2キロ足らずの距離でさえマトモに護送できない連中にこんな重大な職務を任せていたとは、あまりにもズサンだ。

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