池袋事故で書類送検 飯塚元院長“責任転嫁発言”で遺族の怒りの火に油

池袋事故で書類送検 飯塚元院長“責任転嫁発言”で遺族の怒りの火に油

「やっとスタートラインに立った」(書類送検を受け会見した松永真菜さんの夫)/(C)日刊ゲンダイ

「2人がいなくなってしまった苦しみ、悲しみと向き合い続ける日々だった」――。今年4月、東京・池袋で乗用車が暴走し、松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡した事故。車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)が12日、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で書類送検されたことを受け、松永さんの夫(33)が都内で会見。やり場のない怒りを静かに語った。

 松永さんの夫は飯塚元院長の書類送検について「やっとスタートラインに立った」と語り、「2人や社会のためにも軽い罪で終わらないようにできることをやり、少しでも交通事故が減るように活動していく」と改めて決意を新たにした。

 飯塚元院長といえば、元キャリア官僚、瑞宝重光章受章者という華麗なる経歴の持ち主。事故後、証拠隠滅の恐れがないとの判断で逮捕されなかったため、「警察が忖度している」「上級国民だ」――と批判を浴びた。

 ところが、心の底から反省している様子はうかがえない。最近もJNNの取材に事故を起こした反省を述べる一方、「安全な車を開発するようにメーカーの方に心がけていただき、高齢者が安心して運転できるような、外出できるような世の中になってほしいと願っています」などと開き直っていたからだ。また取り調べに対し「予約していたフレンチレストランの時間に遅れそうだった」と供述していたことも報じられた。

 この責任転嫁のような発言について問われた松永さんの夫は、語気を強めてこう指摘した。

「(発言を聞いた)遺族がどういうふうに思うのかという配慮がなかったのかなと。安全な車を造ろうと努力されているメーカーの方々に対してもとても失礼だと思います」

■ドクターストップ無視して運転強行なら重罰も

 飯塚元院長の不用意な発言が遺族の怒りの火に油を注いだことは間違いない。“上級国民”の居直りにはほとほと呆れるが、問題はこれから始まる裁判の行方だ。

「報道によると、飯塚さんは『パーキンソン症候群』に罹患していた疑いがあり、医師から『運転は許可できない』と伝えられていたといいます。持病が踏み間違いに及ぼす蓋然性が高いにもかかわらず、あえて運転したと認められれば、より重い刑罰が科せられる可能性があります。最近の過失事故を踏まえると、3年半〜4年の実刑が下されるのではないか」(元検事で弁護士の落合洋司氏)

 亡くなった2人がいたたまれない。

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