瀕死の日産は泣きっ面に蜂…執拗痛烈な「ゴーン砲」が直撃

瀕死の日産は泣きっ面に蜂…執拗痛烈な「ゴーン砲」が直撃

日産の内田社長(左)とゴーン被告(C)共同通信社

「法律違反をして国外に出ている人の自作自演におつきあいする暇はありません」――。8日のゴーン会見で名指しで批判された日産自動車の豊田正和社外取締役は9日、平静を装った。しかし、ゴーンの痛烈な批判が、業績悪化が続き立て直しを急ぐ日産を直撃しているのは間違いない。

 日産前会長カルロス・ゴーン被告は2018年11月19日に逮捕された。その後、日産の業績はボロボロだ。逮捕後の本業のもうけを示す営業利益を見ると、19年3月期は前期比45%減の3182億円、20年3月期(見込み)は同53%減の1500億円とジリ貧だ。

 ゴーンの逮捕日、1005・5円だった株価は、9日は644・3円と4割近くも下落している。

 日産は昨年12月1日、内田誠新社長が就任し、新体制が発足したばかり。ゴーン事件の取材を続ける経済ジャーナリストの井上学氏が言う。

「騒動はこの先、数年は続くでしょう。これからもゴーン被告は会見をしたり、メディアに出て、日産の陰謀説や悪質ぶりを繰り返し発信するはずです。日産のイメージ悪化は避けられません。社内の士気は下がり、車の販売や人材確保に悪影響が出るのは必至です」

 無実を証明するための映画構想も報じられている。もし、日産が悪役で登場する映画が大ヒットすれば、大きなダメージを受ける。

■社内動揺、イメージ悪化

 海外からの“ゴーン砲”を迎え撃つ日産社内は、ただでさえガタガタしている。内田誠社長らとトロイカ体制を築くはずだったナンバースリーの関潤・副最高執行責任者が昨年末、退任を表明し日本電産社長として電撃移籍することになったからだ。

「日産生え抜きの関さんは、社内の事情を熟知し人望があった。ゴーン事件後、社内を何とかまとめてきたのも関さんでした。その関さんまでが、愛想を尽かしたことで、社員の間に動揺が走っています。業績回復のための追加リストラもささやかれている。最近、技術者などの人材が他社に、引き抜かれるのも少なくありません」(日産関係者)

 業績ジリ貧、大リストラ、幹部の退任、人材離れ……。この先、しつこい“ゴーン砲”が加われば、日産は泣きっ面に蜂だ。

 8日の会見でゴーンは「死んだような会社だった日産を私は立て直した」と自慢したが、今の日産は「死んだような会社」に戻っている。

「売れる車を生み出す体制には、とてもなっていません。ルノーとの統合交渉でも、これまでは、利益を出しているということで発言力がありましたが、ここまで業績が悪化すると、これからは難しくなる。今年3月期の決算で4期連続の減益は確実。ルノーにのみ込まれるどころか、見捨てられるとの見方まで浮上しています」(井上学氏)

 “瀕死の日産”は再建できるのか。

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