警備都合で草木ゼロ「お・も・て・な・し」には程遠い選手村の実態

警備都合で草木ゼロ「お・も・て・な・し」には程遠い選手村の実態

コンクリートジャングル(C)日刊ゲンダイ

こんな無機質な環境に閉じ込められて、世界中のアスリートはどう思うだろうか。東京五輪の開幕まで、あと半年。施政方針演説で安倍首相が「国民一丸」ムードを高める中、選手たちが最も長い時間を過ごす選手村の宿泊棟は既に完成している。

 現地を訪れると、東京湾を望む晴海埠頭の44ヘクタールもの広大な敷地に21棟がそびえ立つ。驚かされるのは草木がほとんど生えていないこと。緑にあふれていた招致時の選手村の完成イメージ図とは、程遠い光景である。

 五輪終了後に選手村は「HARUMI FLAG」というマンション群に生まれ変わる。その宣伝文句は「本物の森へのこだわり」。約100種、3900本もの樹木を植える計画だが、現時点で街路樹は一本も見当たらない。

 まさにコンクリートジャングル。さらに驚いたことに大会期間中も、この緑のない状態が続くというのだ。

「理由は警備上の都合です。この先、大会組織委員会が乗り込み、五輪の本番までには街区ごとにフェンスで覆います。テロ対策のために、車で簡単に突入できないような強固なフェンスで、それを立てるのに街路樹があると邪魔になってしまう。ただ、大会期間中は組織委が建物にカラフルな装飾を施し、にぎやかなムードを演出すると聞いています」(東京都・市街地整備部再開発課選手村調整担当)

 強固なフェンスで囲われた選手村でお出迎えとは、「アスリートファースト」が聞いてあきれる。世界のトップアスリートが激闘の疲れを癒やす施設にしては、あまりにも殺風景。「お・も・て・な・し」の精神は、もはや空証文でしかない。

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