「マスク絶対」で人民パニック…我慢限界で暴力沙汰が多発

「マスク絶対」で人民パニック…我慢限界で暴力沙汰が多発

「強制立ち退き」に怒り爆発(SNSから)

【新型肺炎 阿鼻叫喚の中国“極限生活”】#4

 ショッピングセンターで「マスクをしていない人は入れません」と声をかけられた若い女性が、逆切れして従業員に蹴りを入れる。飲酒運転をして帰宅中の共産党員が、集合住宅のゲートに立つ警備員に進入を阻止され逆上し、警備員を殴打する――。“非常事態宣言”下の中国では、あちこちで暴力沙汰が多発している。「国民性だ」と一笑に付されてしまいがちだが、蔓延する新型肺炎への恐怖の中、「都市封鎖」「マスク絶対」という強制措置によって、国民はパニックに陥っている。

 中国人の間で衝撃のツイッター動画が飛び交っている。それは、住民が見守る中、救助の甲斐もむなしく男性が高層住宅から飛び降り自殺した動画や、街路樹に老人が縄をくくりつけ首吊り自殺した悲劇の動画などだ。

 老人の自殺については、ある自治体の「マスクをしない外出は、派出所で5日間勾留され、毎日100回『外出時はマスクをします』と書かせる措置がある」といわれ、ツイッターでは「マスクを買えなかった老人はこれを不服として自殺した」と伝えられた。だが、後に当局はこれは「デマ」だと否定した。

「この老人はもともと集合住宅の人の出入りの管理を不服とし、係員を殴ったことから、その違法行為について処罰を受けていた」(当局)

 いずれにせよ、移動の自由がなくなり市民が軟禁状態に置かれたことに、この問題は端を発している。

■危うい精神状態

「こんな状況で立ち退けというのか!」と街中で絶叫する市民もいる。近年、地方都市では再開発が盛んだ。某地区でも古い店舗の立ち退きが進んでいた。そこに降りかかったのが新型肺炎の災難だが、関係者は再開発の手を緩めようとはしない。自由な移動が妨げられているこの非常事態に、一体彼らはどこに移転しろというのか。「一刀両断」は14億の人民を統治するための王道だが、人民がどんどん追い詰められている。その精神状態が危うい。=つづく

(姫田小夏/ジャーナリスト)

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