保釈中に特殊詐欺のア然…「先生」と呼ばれた男の巧妙手口

保釈中に特殊詐欺のア然…「先生」と呼ばれた男の巧妙手口

写真はイメージ

「実刑」を免れるため、ダマして稼いだカネを弁済金に充てようとしていた。

 特殊詐欺事件で逮捕され、起訴後の保釈中、別の特殊詐欺事件に関わったとして、大阪府警捜査2課は先月、詐欺などの疑いで、兵庫県川西市の自称建設業の岡野雄一容疑者(27)を逮捕した。

 昨年5月、岡野容疑者は息子になりすまし、大阪府吹田市の70代女性に電話をかけ、「ツレと一緒に株を買うたんやけど、失敗した」とウソを言い、現金100万円を詐取したうえ、翌日も同じ女性から280万円をダマし取ろうとした。

 これが今回の逮捕容疑だが、実は岡野容疑者は一昨年の12月にパクられ、保釈中の身だった。同じ特殊詐欺で起訴された4件のうち1件の被害額は1880万円で、1人の高齢女性から6回、カネをむしり取っていた。

「『かぶせ』あるいは『おかわり』いうて、まだバレてへん、まだ金がある、まだいけると思ったら、『ホンマに金に困ってるんや』『まだ足らへんねん』言うて、同じ高齢者にとことんいく。新規開拓するより、洗脳されとる被害者の方が取りやすいからな。まず1回こっきりでは終わらんのや。これだけ被害額が大きいと実刑確実なんやが、本人は『嫁も子どももいるから、ムショには行きたない』と言うとった。それで執行猶予狙いでダマし取った金額を弁済しようとしとった」(捜査事情通)

 岡野容疑者は詐欺グループの仲間内で「先生」と呼ばれるほどダマしの話術にたけ、大阪の「オレオレ詐欺グループ」の中心的な存在である、「石原グループ」配下の3つのかけ子グループのうちの1つのリーダーだった。

「本人は『オレにかけ子をやらしたら、絶対に上がりがある。うまいんや。ダマしのプロや』と胸張っとったわ。実際、岡野容疑者が勾留されている間、他の2つのかけ子グループはほとんど使い物にならんかった。石原が呆れて『おまえらホンマ、下手くそやな』と言うとったぐらいや。それが岡野容疑者が出てきた途端、バンバン成果を上げるもんやから、石原も『やっぱり岡野はちゃうわ』『さすが岡野先生やで』とえらい感心しとったそうや」(前出の捜査事情通)

■「1000万円ぐらい あっちゅう間や」

 結審までに1000万円弁済すれば、執行猶予が付く可能性があり、岡野容疑者にとってはそれくらいたやすいことだった。

「定職を持ち、1年間で1000万円返したとすれば、返済する意思と行為に加え、罪に真摯に向き合い、周囲にも支えられ、環境も整っているいうことで更生の余地ありと見なされる。ところが実際はすべてデタラメだった。建設業というのは真っ赤なウソで、保釈中、申告していた住所とは別の場所に引っ越し、自宅から電話をかけ、高齢者を次々とダマし、『弁済金の1000万円ぐらいあっちゅう間や』とうそぶいとった」(前出の捜査事情通)

「弁済計画」も執行猶予もすべてパーだ。

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