籠池泰典氏「全面無罪でいきます」控訴後の単独取材に名言【籠池夫妻 法廷闘争記】

籠池泰典氏「全面無罪でいきます」控訴後の単独取材に名言【籠池夫妻 法廷闘争記】

喫茶店でケーキを食べながら……(提供写真)

【籠池夫妻 法廷闘争記】

「ベリーグッド! おいしいわ、ここ」

 声を上げたのは森友学園の籠池泰典前理事長。横にはむろん妻の諄子さん。注目を集めた補助金詐欺事件の1審判決から数日後の昼下がり。近所の人に教わった喫茶店で手作りのケーキをほおばった籠池氏の第一声だ。私は尋ねた。

「甘いものはお好きですか?」

「好きですよ。お酒も飲むけど最近はあまり飲まないからね」

 この店に来たのは控訴審での方針を聞くためだ。1審は籠池前理事長が懲役5年の実刑。諄子さんは一部が無罪になり執行猶予のついた懲役3年の判決だった。夫妻はすでに控訴している。どう闘うのか? 籠池氏は明言した。

「全面無罪。それでいきます」

 元特捜検事の郷原信郎弁護士に相談したところ「量刑がより軽い補助金適正化法違反にすべき話」として、詐欺に問うべきではないという考えを示されたという。

■1審判決には「弁護団は甘かった」

 しかし籠池氏は1審では起訴内容の一部を認めている。幼稚園の運営を巡る大阪府などの補助金については一部に書類を書き換えるなどの不正があったと認めた上で、ほかの部分の無罪を主張していた。だから籠池氏は1審では完全無罪はありえなかった。

 これについて籠池氏は語った。

「(申請に必要な)診断書をいじくった。それは認めるけど、保護者によっては発行日が適切でない診断書を出す方もいる。取り直してもらうのも何だから手を加えたことはある。補助金ですべきこと(教員の配置など)はしていたんですよ。でも弁護士から『診断書を変えるのは罪。そこは認めた方が裁判官の心証がいい』と言われて従った。だから判決を聞いて思ったね。甘い!……あ、これはケーキのことじゃないからね。弁護団のことね」

 もっとも弁護団には弁護団の考え方がある。詳細には明らかにできないが、夫妻との間にさまざまな行き違いがあった。

 一方、検察も判決を不服として控訴した。一部無罪の諄子さんだけでなく、実刑になった籠池氏についても。これは「懲役5年では足りぬ」と、より重い刑を求める検察の姿勢を示している。

 その検察の控訴申立人は大阪地検の山本真千子次席検事。籠池夫妻を逮捕起訴した時の大阪地検特捜部長。そして財務省の背任・改ざんを不起訴にした時も。まさに因縁である。

 検察の控訴を受けて籠池氏の一句。

「遺恨なら 飛ばす東風吹け 春よ来い」

(相澤冬樹/大阪日々新聞・元NHK記者)

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