イランと伊の“中国防疫モデル”導入が「一帯一路」を後押し

イランと伊の“中国防疫モデル”導入が「一帯一路」を後押し

習近平はニンマリ?(武漢市の病院を視察=10日)/(C)ロイター/新華社

【新型コロナパニック たくましい中国人】#7

 イランにおける新型コロナウイルスの感染者数は、3月12日時点で1万75人(イラン保健省発表)。今やイランは中国、イタリアに次ぐワースト3だが、中国とまったく同じ防疫措置で乗り切る構えだという。

「イランは中国の診療モデルをペルシャ語に訳して公開した。30万の医療グループを組織し、世帯ごとに感染の実態を調査した。全国の学校を休校にし、冠婚葬祭の行事を中止させた。公共の場所では体温検査をさせることにした」――。

 これは駐中国イラン大使館が中国のウェイボーで発信した内容だ。イランで新型肺炎が爆発したのは2月19日のことだが、その後3月3日に、「イランは中国モデルを導入してウイルス防衛に当たる」と、国民に向けて宣言した。

 イランだけではない。イタリアも中国モデルに学び、ミラノ、ローマを中心に2月23日から北部ロンバルディア州の十数の都市を封鎖。その後、深刻化するにつれ、3月8日には州の全域と一部都市を封鎖した。このような大がかりな都市封鎖を行った国は、中国に次いでイタリアが初めてだ。また治療対策についてもテレビ会議を通して中国の医療機関からアドバイスを受けている。

 ちなみに、イタリアは昨年3月、主要7カ国(G7)では初めて、中国の主導する「一帯一路」で協力する覚書を交わしている。イランは2016年1月に交わしており、両国とも中国とは蜜月の関係にある。

 中国では、武漢市を除けば企業活動が再開し、市民生活も少しずつ正常を取り戻しつつある。中国式のウイルス防衛策の特徴を分析すると次のようなことがいえる。@間髪入れずしてのスピードA一刀両断の徹底ぶりB国民の我慢強さC医療現場などの人的不足やマスクなど物資不足を補うための動員力D人権うんぬんを言わせない一党独裁の政治体制と経済力……。つまり、中国は経済の低迷は覚悟の上で、すべてのパワーを防疫に短期集中させたのだ。

 恐らく今後、中国を模範にする国が増えるはずだ。これは中国が進める「一帯一路」をさらに有利に導くことにもなるだろう。新型肺炎後、世界地図はガラリと塗り替えられるかもしれない。(つづく)

(姫田小夏/ジャーナリスト)

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