ウイルス対策で加速する“非接触ビジネス” 各社開発を競う

ウイルス対策で加速する“非接触ビジネス” 各社開発を競う

駐車場で飲食(上)、運転手を押さえ込む「虫取り網」が頭にスッポリ(ともにSNSから)

【新型コロナパニック たくましい中国人】#8

 新型コロナウイルス禍の中国では、人と人とが接触しない「非接触」が次なるビジネスのキーワードだ。

 今や重要な社会インフラとなったのが非接触型体温計で、この混乱のさなかにも各社が新型モデルの開発を競い合う。一部の空港や地下鉄などでは、数百人単位の体温測定を漏らさず行う「非接触型AI体温測定器」が、また一部の町では1メートルの距離から測定できるハンディー体温計などが導入され始めている。

 四川省成都市では、警官が専用ヘルメットをかぶって体温測定を行っている。ヘルメットに装着された赤外線カメラを通して、視界5メートルの範囲の中にいる人の体温を測るというものだ。

 中国では、企業活動の再開とともに生活も正常化に向かいつつあるが、飲食業界では依然、店内での接客サービスは止まったままだ。マクドナルドなどのファストフード店は、早い段階から宅配サービスではなく、客が指定した配達地点に届けるという非接触型のデリバリーサービスに切り替えた。

 河南省洛陽市には、店内サービスをやめて客の間を1・5メートル離し、非接触を徹底する飲食店がある。活用したのは駐車場だ。同省のテレビ局は、駐車場のマスの中で食事をする庶民を報道した。

■警察の捕物劇に「虫取り網」

 ある地方都市では、こんな動画がアップロードされた。高速道路に1台の黒い乗用車が滑り込んでくると、警察はこれを停止させ検温する。運転手の体温が高かったのか今度は特殊部隊が取り囲み、確認しようとすると、運転手はこれを振り切り、アクセルを踏んで強行突破しようとした。すると前方に待機していた警察車両が進路を塞ぎ、走行を阻止。運転手が憤慨して車から降りた途端、複数の特殊部隊が取り囲み、あっという間に捕物劇は終わる。数秒のうちに運転手を押さえ込んだのは「虫取り網」だった。

 どうやら動画は、停止を阻止して暴れようとする運転手を想定した訓練らしい。ウイルス感染が懸念される中で、長い柄のついた虫取り網も、「非接触」を求める社会で有効に活用されそうだ。

(姫田小夏/ジャーナリスト)

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