法廷で訴えた「夫のことを知ることができないという苦しみ」【雅子対雅子 森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】

法廷で訴えた「夫のことを知ることができないという苦しみ」【雅子対雅子 森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】

赤木雅子さんにLINEで届いた応援メッセージ(提供写真)

【雅子対雅子 森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】#2

「本屋さんの前を歩いてると、私くらいの年齢の女性が『私は真実が知りたい』を手に取ってクルッとひっくり返して真剣に裏表紙を見てくださってました」

 こんなLINEが赤木雅子さんから届いた。

 公文書改ざんを巡り命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんの妻。国を相手にした裁判の2日前(今月16日)のこと。国の代表者は森まさこ法務大臣(本名三好雅子)だから「雅子対雅子」の裁判。「私は真実が知りたい」は赤木雅子さんが私と出した著書だ。

「何だか恥ずかしくて小走りに立ち去りましたが『何でこの本に興味あるんですか?』って聞いてみたかったです。たくさんの人に知ってもらえたら、このモヤモヤした出来事から出口が見つかる気がします」

 そして一言。「出口が見つかっても夫は帰ってきませんが」

 その夜、雅子さんは夢を見た。夫、俊夫さんの夢。初めて横に寄り添ってくれたけど言葉はない。何だか心がザワッとした。

 ところが当日の18日の朝。雅子さんはすっかり元気になっていた。俊夫さんが通っていた接骨院の院長から応援のLINEが届いたのだ。著書の帯の「あきらめない」という文字を指さす画像とともに「しっかり読ませていただきましたよ!『あきらめない』精神でファイト、負けるな。半沢直樹の様に国にやられたら倍返しダー」。

 この裁判は、夫の死を公務災害と認めた理由を開示せず、決定を1年先延ばししたのは不当だと訴えている。法廷では裁判官に切々と訴えた。

「夫の身に何があったかを事実を知りたいだけなのです。この私の望みをぜひ叶えて下さい。夫のことを知ることができないという苦しみから解放して下さい」

■財務省は逃げてばかり

 終了後、雅子さんは語った。

「財務省の人たちが被告席に8人もいましたね。あれだけの人がいるなら情報開示なんてすぐにできるでしょう。財務省は逃げてばかりです。そんな思いを込めました」

 雅子対雅子の裁判は2つある。1つはこの日の情報開示訴訟。もう1つ、国と佐川宣寿元財務省理財局長を訴えた国賠訴訟が真相解明のための本丸だ。次の闘いは10月14日になる。

(相澤冬樹/大阪日々新聞・元NHK記者)

関連記事(外部サイト)