赤木雅子さんを傷つけた 財務局職員の「理解してますか?」の一言

赤木雅子さんを傷つけた 財務局職員の「理解してますか?」の一言

弁護士ときっき財務局へ(撮影・相澤冬樹)

【雅子対雅子 森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】#3

「赤木さん、弁護士さんの話をすべて理解しているということでよろしいですか?」

 赤木さんとは、財務省近畿財務局の公文書改ざん事件で職員だった夫を亡くした赤木雅子さん。夫の死を巡り国などを相手に裁判を起こし、近畿財務局に個人情報開示も求めている。その交渉で9月29日、代理人の弁護士とともに財務局の職員と向き合っていた時に、いきなりこんなふうに問いかけられた。赤木さんは戸惑いながらも「はい、いいですよ」と答えた。すると職員は畳みかけるように、「もしもご自身と認識が違うところがあったら言ってください」。

 これには赤木さんもさすがにあきれた。私が話を理解できないと思っているの?

「あなたに言われる必要ないです。失礼です。目の前にいるんですよ?」

 赤木さんは思い出した。夫が亡くなって、財務省の事務次官が自宅に弔問に訪れた時、付き添いの職員が言った。

「一番偉い方ですよ。わかってます?」

 財務省の人たちは、私を何だと思っているのだろう? 夫を亡くした妻は、一人では何もわからないとバカにしているんだろうか? だから私がどんなに「真相を調べてほしい。再調査してほしい」と言っても、聞いてくれないんだろう。

■初めて夫の職場に入り、職員と向き合った

 夫の俊夫さんはこの役所に30年間勤めてきたが、妻の雅子さんが職場に入ったのは、この日が初めてだった。

「この建物で夫は改ざんしたんやなあって。この建物に改ざんを命令した上司がいるんやなあって。その人たちは毎日どんな気持ちで過ごしてるんやろうって。ここで何十年も働いてくれた夫に感謝するし、働かせてくれた近畿財務局にも感謝してます。だから思うんです。改ざん自体は認めているのに、今更何をこんなに隠そうとしているのか? 夫が亡くなって2年と半年以上が経っても何も変わりません」

 赤木雅子さんの国との闘いは続く。次の裁判は14日、大阪地裁の大法廷で行われる。

(相澤冬樹/大阪日々新聞・元NHK記者)

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