“スガ友”も顕彰 終身年金350万円「文化功労者」の経済人まで払う必要あるのか

“スガ友”も顕彰 終身年金350万円「文化功労者」の経済人まで払う必要あるのか

8億円の年金を問題視(本多衆院議員)/(C)日刊ゲンダイ

所管する文科省の元次官の言葉だけに説得力がある。

 東京新聞のコラム(8日付)で前川喜平氏が、文化の向上に功績があった人を称える「文化功労者」について<自らは創造活動をしない経済人が選ばれたことには、強い違和感を覚えた>と疑問を呈していた。

 前川氏が「あれ?」と思ったのは、おととしからだという。確かに調べてみると、2018年は資生堂名誉会長の福原義春氏とキッコーマン名誉会長の茂木友三郎氏、19年は日本財団会長の笹川陽平氏、今年はインターネットイニシアティブ会長の鈴木幸一氏とぐるなび会長の滝久雄氏が選ばれた。

 経済人が選ばれることの違和感は文化功労者のその「特権」にある。年間350万円の年金を、死ぬまで受け取れるのだ。

 文化への貢献者には「文化勲章」があるが、憲法14条に「栄誉、勲章その他の栄典の授与はいかなる特権も伴わない」という規定があり、お金は出せない。そのため1951年に「文化功労者年金法」を制定し、年金支給を決めた経緯がある。つまり“功労金”を渡すことが目的の制度なのだ。前述のコラムで前川氏は<功績顕著な学者や芸術家でも、経済的な成功者とは限らない。例えば作歌だけで生活できる歌人はほとんどいない><三百五十万円の年金は貴重なご褒美だ。しかし、成功した経済人には不要だろう>と記していた。

■年間予算総額8億円

 この一件は、4日の衆院予算委員会でも取り上げられ、立憲民主党の本多平直議員の質問に萩生田文科大臣は「現在の文化功労者は233人。年金の年間総額は8億1550万円」と答弁している。

 そのうえ、今年選ばれたぐるなび会長は、菅首相の“オトモダチ”だ。子会社が献金もしている。本多議員があらためて言う。

「惻隠の情から国会では実名をあげませんでしたが、菅首相の知人は文化功労者に選ばれただけでなく、経営する『ぐるなび』が『Go To イート』によって恩恵を受けている。ネット予約分に616億円の予算がつけられ、ぐるなびには事務費用として10億円が支払われます。菅政権は、日本学術会議に年間10億円の税金が使われていることを問題視するなら、文化功労者への8億円の使い方も議論すべき。経営者にまで終身年金を払う必要があるのかどうか」

 その通りで、これほど「前例打破」にぴったりな事案はない。

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