11月18日尼崎市発砲事件 ヤクザの“壁撃ち”が業界で笑われる理由

尼崎市で六代目山口組司興業傘下の琉真会事務所に銃撃 暴力団業界で手法を嘲笑か

記事まとめ

  • 尼崎市で六代目山口組司興業傘下の琉真会事務所に3発の銃弾が撃ち込まれた
  • 司興業は神戸山口組若頭補佐らを銃撃しており、神戸山口組側による報復と見られている
  • しかし、夜中に壁を撃って逃げているため、暴力団業界では鼻で笑われているという

11月18日尼崎市発砲事件 ヤクザの“壁撃ち”が業界で笑われる理由

11月18日尼崎市発砲事件 ヤクザの“壁撃ち”が業界で笑われる理由

弾痕が確認された現場の建物を調べる兵庫県警の捜査員ら=18日午前2時25分、兵庫県尼崎市(C)共同通信社

11月18日午前0時過ぎに兵庫県尼崎市の住宅街で発砲事件が起きた。銃撃されたのは六代目山口組司興業傘下の琉真会(仲本政弘会長、司興業顧問)の事務所である。

 関係者によると「ヘルメットをかぶりスクーターに乗った2人が事務所の前を通り過ぎざまに3発撃ち込んだ姿が防犯カメラにばっちり映っている。犯人はいずれ捕まるだろう」とのこと。

 司興業は11月5日に六代目山口組と対立する三代目古川組の仲村石松組長(神戸山口組若頭補佐)ら2名を銃撃している。そのため、今回の銃撃は神戸山口組側によるカエシ(報復)だと見られている。

 もともと仲本氏が初代会長を務める琉真会は三代目山口組が1970年代に沖縄進出をする際に、初代古川組組長の古川雅章によって設立された組織。その後、琉真会は三代目会長を仲村石松組長が兼任するのだが、2018年に仲本氏(当時二代目古川組相談役)が初代琉真会会長を名乗って司興業傘下に入り、司興業の顧問になったことで分裂。このため仲村組長は今回現場となった事務所を仲本氏に戻していた。

 一方、古川組系は二代目組長の古川恵一氏が神戸山口組に傘下するものの、17年に任侠山口組(現絆會)が神戸山口組から分裂すると子分がすべて抜けて乗り換えて古川組を名乗り始める。そこで仲村石松氏が古川氏を総裁に担ぎ上げ、三代目古川組長を名乗ったが、2019年に古川氏は六代目山口組二代目竹中組の元組員に自動小銃で射殺されてしまう。こうして古川組は分裂し、トップは襲撃され、組織はズタズタとなっていた。

 今回の司興業(琉真会)へのカエシの結果、再び抗争は起きてしまうのか。六代目山口組(6)の動向に詳しいX氏は次のように話す。

「神戸(山口組)の古川組組長ら2人は司興業の組員2人に白昼堂々撃たれて、2人は自首して逮捕された。一方、神戸側と思われる今回のカエシは夜中に来て、壁撃ちして逃げた。カネのない神戸がなにもできないのは最初からわかっとるけど、鉛を体じゃなく壁に撃ち込んで逃げるのはカエシとはいわん。テニスか壁ドンか。業界では鼻で笑われてるわ」

 なんとも物騒な話ではあるが、X氏によれば、人を狙ういわゆるヒットマンはカネがかかるため、体力のある組でなければ出せないという。というのも、銃刀法違反に殺人や殺人未遂の罪を伴うヒットマンはよくて十数年か無期懲役の刑務所生活。最悪は死刑だ。公判では弁護士費用がかかり、有罪となった組員が獄にいる間は家族を含めて面倒をみなければならない。場合よっては、「仕事」をする前には破門して1年くらいたっぷり遊ばせる。数千万円の金がかかり、組との信頼関係も必要だ。そうでなければ腹をくくって「いい仕事」ができないと言うのだ。

 神戸山口組の「金庫番」と呼ばれた池田組もナンバー2である若頭が二代続けて銃撃されたのにカエシがなされぬまま、今年8月に神戸山口組を離脱した。神戸は拘置所にいる組員の弁護士費用もままならず、六代目側にヒットマンを送り込むことなどできないとX氏は話す。

 では今回の司興業(琉真会)側に対するカエシについて6側は鼻で笑って終わりなのか。X氏は首を横に振る。

「6は古川組組長らへの銃撃は、山口組分裂の年内終結に向けた神戸側への最後通告のつもりと考えていたはずや。それなのにカエシが来たわけや。今年2月、高山総裁(六代目山口組ナンバー2)の三重県の自宅に70過ぎの元ヤクザが複数発撃ち込んだことあったやろ。あんときは周りの人間が目も合わせられないくらい総裁は激怒したと聞くわ。今回のあんなんでもカエシはカエシや。6側が黙っているはずはない」

 6、神戸、絆の争いはまだまだ続きそうだが、重大局面をいよいよ迎えつつあるようだ。

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