ゴミも散乱、悪質「焚き逃げ」に怒り 市の注意看板も効果なく...見かねた市民が清掃活動

ゴミも散乱、悪質「焚き逃げ」に怒り 市の注意看板も効果なく...見かねた市民が清掃活動

ゴミも散乱、悪質「焚き逃げ」に怒り 市の注意看板も効果なく...見かねた市民が清掃活動の画像

埼玉県飯能市にある天覧山の山頂で、一部の登山客による迷惑行為が続いている。

禁止されている焚火を山頂で行い、その後片づけもせず去っていく客がいる、というのだ。いわゆる「焚き逃げ」と呼ばれる行為で、悪質なマナー違反とされる。一方で、そうした状況を見かねて、ボランティアで焚火跡の清掃を行う動きも続いている。

J-CASTニュースは、焚火跡を発見して清掃活動を行った北島瑞規さんと市の担当者に取材した。

「ヤマノススメ」ファンが清掃活動

北島さんは2021年6月13日朝、体力づくりのために天覧山に登っていた。「縦走」という連なった複数の山を数日かけ踏破する登山を行うために、時間に余裕がある時に訪れているのだという。この日もその習慣で山頂まで訪れたところ、焚火の跡とその周囲に散乱するゴミを発見した。

「飯能市の天覧山。前にもこういうのあって、深夜立ち入り禁止の張り紙されたばかりなのに、これだよ。トレーニングで多峯主山まで行こうと思ったけど、一旦戻って掃除用具取りいくか。後で市役所にも連絡だな」

北島さんは同日のツイッターにこう記し、家から掃除道具を持ち出してきた。清掃活動には、北島さんの知人たちも加わり、鎮火を確認後、周囲のごみなども分別し処分した。

北島さんによれば、手伝ってくれたのは、飯能市を舞台にした漫画・アニメ作品「ヤマノススメ」を通して知り合った仲間たちだという。

「この日も、掃除用具を取りに戻るとき、交差点でたまたま会ったり、わざわざ連絡してきたり、皆快く協力してくれて、それだけ飯能市を愛している方々です」

「ヤマノススメ」は女子高生による登山をテーマにした作品で、2011年9月からウェブマンガ誌「コミック アース・スター」で連載されている。13年から18年にかけては同作を基にしたアニメも放送された。

天覧山は、主人公たちが作中で最初に登る山であるとして、「ヤマノススメ」ファンたちの間でも思い入れのある場所だった。

北島さんは、同作がきっかけで飯能市や登山に惹かれ、同市に移住してきたのだという。

同じように作品を通して飯能市に惹かれたファンたちは、以前から不定期で市内の清掃活動を行っていたそうで、北島さんはこの経験があったからこそ、今回もスムーズに清掃活動に取り組めたのではないかと話した。

悪質な焚火行為に頭を抱える飯能市

飯能市の担当者によれば、焚火跡が発見されるのは今年で4件目だという。「これまでにはこのようなことはなかった」と、困惑している。

最初に焚火跡が確認されたのは21年1月11日早朝、冷え込んだ日の朝のことだった。地主の希望もあり、警察と相談し14日、焚火を禁じる看板を設置した。山火事などの大災害が起こる可能性があるためだとしている。しかしその効果は薄かった。

「『焚火絶対ダメ!!』という看板を設置しました。しかしそれをわざわざ外されて、柵の向こうに廃棄されてしまいました。かなり悪質です」

市は1月29日に看板を再設置した。その後も、焚火が行われるたびに看板は投げ捨てられてしまっているのだという。

3月には2回、焚火跡が確認されている。栃木県足利市で2月から3月にかけて、たばこの吸い殻が発火元とみられる大規模な山火事があったこともあり、飯能市は対策を強化し、焚火が行われる夜間の入山を禁じた。

それでも6月13日、また焚火跡が発見されたのだった。

「残念なことが起こる一方で、危険な焚火をなくしていかなければいけないという思いで掃除を行ってくださる方もいらっしゃります。本当にご協力ありがとうございます」

そして市の担当者は、「焚火は危ないので絶対にしないでください」と天覧山の山頂を利用する人々に強く訴えている。

万が一、焚火を行っている現場に立ち会った際には110番で通報することを推奨している。また焚火跡を発見した際には市と警察でも対応を行うので、どちらかに連絡をしてほしいとのことだ。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)