制服の衣替え「気候や体調次第で自由に」 岐阜の中学校の呼びかけに反響→なぜ導入?教頭に聞いた

冬服への衣替えについて、岐阜県大垣市立のある中学校が気候や体調に合わせ家庭の判断で行ってほしいと保護者に呼びかけ、ネット上で注目されている。

従来の衣替えシーズン後も暑い日があるため、冬服を着るかどうかは家庭の判断に任せるよう、保護者から要望が出ていた。この中学校になぜ呼びかけを行ったのか話を聞いた。

■保護者「暑い日に長袖の制服を何とかしたかった」

衣替えと言えば、冬服については、10月1日に行われるのが日本では慣例のようになっている。しかし、近年になってからは、地球温暖化の影響もあるのか、10月に入っても、夏のような陽気が続くことも多い。

そんな中で、この時期に一斉に衣替えせず、冬服にするか家庭の判断に任せる中学校が大垣市内にあると、2021年10月9日にツイッターで投稿があった。

それによると、ある市立中学校は、冬服への衣替えについて、10月ごろから11月上旬ごろを目安に、気候や体調に合わせて家庭の判断で行ってほしいと10月のお知らせで保護者に呼びかけた。状況に応じて夏服、冬服のどちらでもいいとし、学校でも、体調や活動に合わせて調節するよう指導するなどとしていた。

投稿者は11日、J-CASTニュースの取材に対し、この学校の保護者だと明かし、もう1人の保護者ともに校則や制服のあり方について校長と意見交換し、学校側がお知らせを出すことになったと説明した。ツイッターでは、暑い日に長袖の制服を着せられ、寒い日に夏服の上に上着を羽織ることもできないことを何とかしたい思いがあったとつづっていた。制服をそろえるときは、必要な儀式のときだけでいいのではとも訴えている。

この投稿は、大きな反響を呼び、共感する声も多い。「暑い寒いは個人差ある」「これが全国に広がるといいな」といった声が次々に寄せられている。

お知らせを出した中学校の教頭は11日、衣替えは家庭の判断でと呼びかけた理由をこう説明した。

「最近は、この時期でも暑いので、一昨年から、衣替えの移行期間を2週間から徐々に延ばしてきました。昨年の冬服への衣替えから1か月にしており、その流れもあります。保護者の方がとても熱心でしたので、話し合いの結果、衣替えは家庭の判断で行ってほしいとの表現にしました」

■「コロナ対策で、洗濯しやすい体操服もOKとした背景もある」

新型コロナウイルスの感染阻止のため、岐阜県教委は、2020年5月に洗濯しやすい体操服などでの通学もできるとした学校再開ガイドラインを示した。その後、県立高校などでは、制服だけでなく、私用のトレーニングウェアやTシャツなどでの通学を認めるところも出てきたと報じられている。

前出の中学校も、10月のお知らせで、感染症予防のため学校規定のジャージや体操服などでの通学ができるとしており、同校の教頭は、その背景もあるとした。

「この2年間そのような服装でもOKしていたこともあって、制服の規制を緩めました。昨年は岐阜県内で夏休みも短縮され、30度の真夏日でも登校することもあって、子供への熱中症の配慮が必要になったこともありますね」

岐阜県内などでは、制服と私服の選択制を採り入れるべきだとする運動も起きており、県立高校の教諭らは7月末、制服ではなく強制力のない「標準服」と表現するよう求める要望書を県教委に出している。

注目された中学校のお知らせでは、冬服について制服ではなく標準服との表現をしているが、教諭らの運動とは関係はないという。ツイッター投稿者は、教諭らの運動を示して表現の見直しをお願いしたと取材に答えたが、教頭は、「保護者からこの表現をするよう要望があり、こだわる必要がないため、表現方法を制服に限定しなかっただけです」としている。

今後も同じような衣替えの形式をするかについては、「見通しは立てづらいですね」と教頭は話した。

大垣市教委の学校教育課は10月11日、衣替えについて取材にこう答えた。

「こちらでは、マスク着用による熱中症対策などを呼びかけていますが、衣替えの方法まで一律に示していません。暑い日が続いていますので、他の学校でも、気候や体調に合わせて衣替えをするよう、自主判断でメールを配信しているところもあります。どんなに暑くても冬服を着なさいと指導している学校はないでしょう。制服のことを標準服と言っている学校はあると思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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