日本ホビーショー、存続危機でクラファン開始へ 目標300万円...2年連続中止で「出展料」期待薄

手作りを主軸とするホビーを通じ社会貢献していくことを目的に設立された一般社団法人日本ホビー協会が、「日本ホビーショー」の存続を目的としたクラウドファンディングを2021年10月27日から実施することが分かった。

「日本ホビーショー」は、1976年から毎年開催されている世界最大級のハンドメイドホビーイベント。しかし新型コロナウイルス感染症が拡大した影響で、2020年から2年連続で中止となった。

■「ハンドメイドの世界では、無くてはならないことである」

日本ホビー協会は22年4月27日から29日にかけて、「日本ホビーショー」を東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催予定。それに先駆け、開催資金などを募るクラウドファンディング「世界最大級・ハンドメイドの祭典、開催から45年『日本ホビーショー』を存続させたい」をクラウドファンディング・プラットフォーム「CAMPFIRE」で実施する。

J-CASTニュースの取材に対し、日本ホビー協会はイベント存続の意義をこう語る。

「日本ホビーショーは、ハンドメイド(手芸・クラフト)のイベントとして質、量ともに国内最大のイベントです。出展者も来場者も、年間の予定に組み込まれていることが多く、出展者の事業展開の側からも来場者の楽しみ・喜びの側からも大きな期待が寄せられています。
同じ場所に同じ時間に一堂に会することで、価値の交換を実現することは、特に自分の手をかけることで喜びを感じることができるハンドメイドの世界では、無くてはならないことであると考えています」

ハンドメイドは一律の価値に縛られるものではないために商品や技術や人との出会いが大事だとして、リアルイベントの必要性を訴える。

■主催者としての損失額は約1億1千150万円

45年の歴史がある「日本ホビーショー」は、2年連続でイベントの中止を余儀なくされた。開催が中止となったのはイベント史上初めてのことだった。

日本ホビー協会によれば協会に対し、なぜ直前の中止となったのか、協会の判断に誤りはなかったのかといった指摘や批判も寄せられたといいう。協会はそうした疑問に応えるべく、中止に至った詳細な経緯をクラウドファンディング上の記事で伝えた。

それによれば、20年の春はまだ新型コロナ感染症というものがわかっていない段階で、政府によるイベント開催のガイドラインなどがなかったため、主催者判断でイベントを中止することにした。

一方で21年は、イベント開催におけるガイドラインが制定されていたため、それに準じた開催準備を進めてきた。しかし開催直前になって、会場である東京ビッグサイトから「来場者を入れるイベントには施設を貸せない。無観客ならば、開催できる」と伝えられ、中止を余儀なくされたという。その結果、主催者としての損失額は約1億1150万円にのぼったとしている。

取材に対し日本ホビー協会は、イベントの中止が相次いだことにより、出展者を募ることが難しくなるのではないかと不安を吐露する。

「昨年の中止は、2020年3月16日に自らの意思で決定しました。残念ながら2021年は、開催直前の中止要請を受けた形で、出展者の皆様に昨年以上の大きな損失を発生させてしまいました。協会の財政も悪化していますが、二度とこんな目に遭いたくないという出展者のお気持ちもあって、これまでと同じ出展者を募ることができるかどうかは、とても厳しいと考えています」

■日本ホビー協会が存在できなくなる可能性もある

こうした状況を受けて、日本ホビー協会はクラウドファンディングを実施することにした。

「イベントを支えているのは、出展者様の出展料のウェイトが大きいのですが、来年はそこを厳しくみないといけない。一方、イベント開催に対する期待は、出展者にも一般のお客様にもあることがわかっています。
そこで、出展・来場という共にイベントを形成してきた関わり方以外の方法として、イベントを成立させるためにも、クラウドファンディングという方法でご支援を求めようということになりました」

目標額は第1ステップとして300万円。集まった支援は、「2022日本ホビーショー」の会場環境整備費や会場環境運営人権費、展示作業費などに使われる。またリターングッズとしては、金額ごとにオリジナルステッカーやトートバッグなども用意している。

日本ホビー協会は最後に、イベントの存続のためこう訴えた。

「次回の日本ホビーショーを成功させることができなかった場合は、当協会が存在できなくなる可能性が高まります。
もしそうなってしまった場合、それは、ご活用いただいた日本ホビーショーを失うことであって、イベントで得られるはずの『楽しみや喜び』、『人との出会いや絆』、『気づくこと、発見』、『達成感や向上心』という、いちばん大切にしたいことを一堂に会して確認し合う、そのチャンスを失うことでもあります」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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