40万個超のマンホール撮影めざすイベントに称賛「発想が天才」 インフラ課題解決への「仕掛け」

賞金総額100万円を掲げ、市民から参加者を募ってゲーム感覚で「マンホールの蓋」の一斉調査を行うというイベントが話題となっている。

市民の協力を得てインフラの管理を達成しようとする本企画の発想に、ネット上では「天才すぎる」などと称賛の声が集まっている。

■「インフラ・クライシス」を防ぐため

話題のイベント「第3回マンホール聖戦 東京23区コンプ祭り」は2021年10月23日から31日まで開催している。主催はNPOのWhole Earth Foundation(WEF、シンガポール)と日本鋳鉄管(東京都中央区)。

今回の「マンホール聖戦」は東京23区全域にある40万個以上の下水道マンホール蓋について、撮影によるデータ収集の完了を大きな目標とする。集めたデータはインフラの老朽化による崩壊「インフラ・クライシス」を防ぐため活用されるという。

対象年齢は17歳以上。具体的なプレイ方法は、はじめに公式LINEからゲームアプリ「鉄とコンクリートの守り人」を登録してマンホールの位置を探索。その後、現地へ行き「マンホール周囲の状況写真」と「本体の写真」の2枚をセットとして撮影、アプリに投稿するというもの。

本イベントの貢献者には「投稿MVP賞」など各賞が与えられる。賞金総額は100万円だ。

WEFのPR事務局担当者は26日、J-CASTニュースの取材に応じ、企画立ち上げの経緯について、

「マンホールを始めとしたインフラの維持・管理にはコストがかかり、自治体の予算による維持が困難であるという声のもと、このプロジェクトを開始しました」

と説明した。本イベントはこれまで第1回が8月に渋谷区で、実験的規模の第2回が9月から新宿区・中野区・港区で開催されていた。

第1回は約700人の参加者が集まり、区内にある1万個ほどのマンホールを3日間でコンプリートしたという。担当者は「台風の日曜日にスタートし、ほぼ1日で大半が終了するほど好評でした」と振り返る。

第3回の開催に至ったきっかけに関しては、10月に東京23区で震度5強の地震が観測された際にインフラ・クライシスを目の当たりにしたのだと伝える。担当者によれば、当時、水道管破裂によりマンホールから水が溢れて冠水するなどの被害報告があったという。

そのような背景もあって、「"緊急開催"と題して、今回のイベントを過去最大規模で実施するに至りました」とする。取材時点では6000人ほどが参加していると報告した。

■「サステナブルな社会の実現を目指しています」

今回のイベントは一般ユーザーのツイートをきっかけに10月24日ごろから注目を集め、ツイッターでは「ゲーム感覚で取り組めるのが面白そう!」「この発想は天才すぎる」といった声があがっている。

ネット上の反響を受けて27日、取材に応じたWEF代表の森山大器氏は「仕掛けがよく考えられている、というコメントも数多くいただき嬉しく思います」と喜びを表し、次のように所感を述べた。

「とはいえ、ここまで反響が広がった背景には、このような社会課題に関心が高い人が多い、ということがあるように感じています。

8月に渋谷区でイベントを行った際にも、参加理由として最も多かったのは『賞金・賞品が欲しかったから』ではなく、『インフラの課題解決につながるというコンセプトに興味を持った・共感したから』という回答結果でした。

コロナの影響で行動範囲が狭まり社会との接点が少なくなる中で、社会のためになる活動をしたい、という方も増えているのではないでしょうか」

今後の展開については、前出のPR事務局担当者が下記のとおり答えている。

「地方のインフラ・クライシスにも手を差し伸べるべく、集まった画像を機械学習することでどこにあるマンホールの劣化が特に進みやすいのかを予測できるモデルを作る予定です。

また、現在はマンホールに注力していますが、今後その他のインフラも同様に民主化し、『自分たちの地域のインフラを自分たちの手で維持していく』というサステナブルな社会の実現を目指しています」

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