武蔵野条例案「否決されて安心」発言の玉木氏 憲法上の課題も踏まえ「しっかり検討すべき」

国民民主党の玉木雄一郎代表は2021年12月23日の定例会見で、外国籍の人も住民投票に参加できるようにする条例案が東京都武蔵野市で否決されたことについて、「十分な議論が尽くされていない、市民・住民に理解が進んでいない」なかでの採決だったとして、結果を「重く受け止めなければならない」と述べた。

表現の自由や言論の自由は万人に認められるべきだとする一方で、外国人にどの程度の権利が保障されるべきかについては、「いろいろな議論をしていけばいいと思っている」とも指摘。現行憲法では、外国人の権利について明文化されておらず、この点を含めて「しっかり検討すべき」だとした。

■「健康で文化的な生活を送る権利は、全ての人類にあると思う」が...

条例案は、18歳以上で、市の住民基本台帳に3か月以上続けて登録されていれば、国籍を問わず住民投票への投票資格を与える内容。「共生社会」の実現を後押しするという見方がある一方で、現行憲法では認められていない外国人参政権の代わりになり得るとの懸念も出ていた。12月21日の市議会本会議で採決され、否決された。

玉木氏は否決直後に報道陣に対して

「こういうことが(外国人に対する)地方参政権の容認につながっていく。否決されて安心したというのが率直な思いだ」(産経新聞)

などと話していたが、今回の記者会見では条例案への直接の批判は「封印」。次のように述べた。

「今回は非常に賛否の分かれる内容だったと思う。結果としては否決という形だったが、やはり十分な議論が尽くされていない、市民の皆さん、住民の皆さんにも理解が進んでいないということで、まずこの議会の中で民主的なプロセスとして否決をされたという、その結果は重く受け止めなければならないというふうに思う」

その上で、外国人がどの程度の権利を享受できるかについては

「外国人の権利の享有主体性については、私はいろんな議論をしていけばいいと思っている」

などと話した。具体的には、「参政権はもちろん慎重に議論すべきところだと思う」とする一方で、「健康で文化的な生活を送る権利は、全ての人類にあると思う」。このことを前提に、制約がある中での優先順位のつけ方は「立法判断」で「政治判断」だとして、さらに議論が必要だとした。

「できるだけ多くの権利を外国の方にも認めていくというのは一つの考えだと思うが、一方で制約があることも事実なので、その境目をどうしていくのかということは、国会や地方議会や、あるいは憲法や法律や条例や様々なそういった規律を決めていく際に、深く議論していくべき課題だと思っている」
「基本的には、できるだけ人類として、人として享受できる権利はできるだけ認めていこうということが原則だと思うが、様々な安全保障上あるいは財政制約上の一定の制約があったときに誰をどのように優先していくのか、というのは、立法判断にもなるし政治判断にもなる」

■現行憲法では「解釈によって『権利の性質上、適用可能な限りにおいて人権を保障』」

憲法上の課題も踏まえて「しっかり検討すべき」とも述べた。国民民主は20年12月に改憲に向けた「論点整理」を公表している。その中では、日本国民以外に対する人権保障について

「『個人の尊厳(尊重)』が守られるべきことは、日本国籍の有無を問わないはずである」とする一方で、

「『地域の尊厳』・『国家の尊厳』といった観点からは、例えば、参政権などについては国籍の有無に応じて保障の程度が異なることも否めない」

とも指摘。現行憲法上は

「外国人の人権保障に関する明文の規定はなく、解釈によって『権利の性質上、適用可能な限りにおいて人権を保障されている』とされている(判例・通説)」

ため、

「外国人の基本的人権の享有主体性を憲法上明文化するかどうかについて、引き続き検討する」

ことを掲げている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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