「焦った」フロントガラスの吸盤で白煙が 注意すべき車の「収れん火災」...体験者明かす当時の状況

車のフロントガラスに貼った吸盤から煙 国土交通省は「保安基準違反」と回答

記事まとめ

  • 車のフロントガラスにお守りの吸盤を付けていたところ、煙が出た動画が話題に
  • 「収れん火災」と呼ばれ、吸盤などがレンズの作用をして物を発火させる現象だという
  • フロントガラスにお守りを付けることは保安基準違反になり、車検にも通らないそう

「焦った」フロントガラスの吸盤で白煙が 注意すべき車の「収れん火災」...体験者明かす当時の状況

車のフロントガラスにお守りの吸盤を付けていたところ、突然ダッシュボードから煙が出て...。こんな動画がツイッターに投稿され、話題になっている。

動画を見ると、あわや車両火災になりかねない危険な状況だった。消費者庁も、こうしたケースから起こる「収れん火災」について、サイト上などで注意を呼びかけている。

■ケースの縁から白い煙がモクモクと上がり始め...

お守りの吸盤がレンズのようになって、車のダッシュボードの上に置かれたケースの縁の1点に太陽光が集まっている。サングラスを収納したケースだ。

すると、ケースの縁から白い煙がモクモクと上がり始める。そのまま放置したら、車両火災になりかねない状況だ。

この8秒ほどの動画は、にゃすさん(@nyasufuji)が2022年3月30日にツイッターで投稿した。

にゃすさんは、このツイートで「焦った」と明かす。この後、お守りの吸盤は、フロントガラスからすぐに外し、「降りる前に気が付いて良かった」「ほんと危なかった」と漏らしていた。

にゃすさんにJ-CASTニュースが4月1日に聞いたところによると、このハプニングがあったのも3月30日で、吸盤はフロントガラス右下付近に付け、そのレンズ作用で光が当たった収納ケースのビニール部分に少し焦げ跡が残った。車を止めていたときに、煙が出ているのに気付いたため、スマートフォンで動画を撮影したという。

吸盤などがレンズの作用をして物を発火させる現象は、「収れん火災」と呼ばれている。

収れん火災は、鏡やガラス玉など様々な物から起こることが知られており、消費者庁は20年11月26日、「『収れん火災』に注意!」などとサイト上で呼びかけた。

消費者庁では、国民生活センターと連携して関係機関から情報を収集する「事故情報データバンク」を2010年から運用している。このデータバンクによると、収れん火災については、20年9月までの10年間に関連情報が20件寄せられた。

■お守りそのものも、保安基準上いけなかった

このうち、車のガラスにシルバーマークやカーテンを付けるために吸盤を使っていたケースが2件あった。

2018年7月には、80 歳代男性が100 円ショップで購入した吸盤タイプのシルバーマークを車内のリアガラスに付けていたところ、後部座席シート部分から煙が出たことがあった。シートに掛けてあったカバーが少し燃えていたという。「通常車内で使われる吸盤は、レンズのように光を集めないようにするため、色付きか白か半透明のものが多いとのことだが、購入したものの吸盤は透明だった」としている。

前出のにゃすさんがフロントガラスに付けたお守りの吸盤も、透明のものだった。

実は、お守りの吸盤はそもそも、フロントガラスには付けてはいけなかった。

国土交通省の車両基準・国際課が4月1日に取材に答えたところによると、道路運送車両の保安基準第29条や細目告示第195条の規定から、フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスは、バックミラーやETC機器、ドライブレコーダーのほか車検のステッカーなど運転に必要なもの以外は付けることができない。

「それは、運転するときに、視界の妨げになるからです。お守りなども、認められていません。もし付けたとすれば、保安基準違反になります。車検にも通りません。実際は、そのような認識ができていない方も、それなりにいらっしゃるようですね」(車両基準・国際課)

なお、前出のにゃすさんは、ツイッター上でも、お守りはフロントガラスに付けてはいけないのではとの指摘を受け、「現在は違反の可能性もあるので外してます」と取材に明かした。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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