岸田首相、観光目的の入国再開時期「確定せず」 欧米など続々開放の中なぜ?海外メディアも反応

新型コロナウイルス対応の日本政府による水際対策の緩和が進み、2022年4月10日から1日あたりの新規入国者数の上限が1万人に引き上げられた。ただ、この中には観光客は含まれていない。

日本を訪れる観光客は18年に初めて3000万人を突破。政府は16年時点で20年に4000万人、30年に6000万人に増やす目標を掲げてきたが、コロナ禍で事実上ゼロが続いている。22年4月8日に行われた岸田文雄首相の記者会見では、観光客の受け入れ再開時期に関する質問も出たが、「確定はしていない」と述べるにとどめた。

■共同通信英語ニュース「近日中の観光客入国再開を否定」

1日あたりの新規入国者数の上限は3月1日には5000人、14日には7000人と段階的に引き上げられてきた。岸田氏の記者会見では、上限の1万人への引き上げが決まったことを受け、観光目的の入国再開時期に関する質問も出た。岸田氏は、

「観光客の部分については、今後も感染状況や国際的な各国の動き、こういったことを見ながら適切に判断していかなければならない」

とした上で、再開時期については、

「確定はしていないが、今、申し上げた水際対策全体の流れの中で、これからの動向もしっかり踏まえた上で判断していきたい」

と述べるにとどめた。

この発言は、観光客受け入れ再開には否定的なニュアンスで受け止められたようだ。共同通信の英語ニュースは、岸田氏の発言を「近日中の観光客入国再開を否定」の見出しで報じたほか、シンガポールのストレーツ・タイムズには「日本が外国人観光客に開放される予定は『今のところない』」の見出しがついた。

■参院選までは慎重姿勢?

同紙では、「観測筋」の話として、入国再開に慎重な背景を次のように報じている。

「7月10日に参院選が予定されており(編注:現時点で日程は決まっていないが、「6月22日公示、7月10日投開票」が有力視されている)、前任者2人(安倍晋三元首相、菅義偉前首相)の新型コロナ対策が失策だと受け止められて(政権が)疲弊したことから、岸田氏は慎重な姿勢を取っているのだろう」

「コロナ前」に日本人が多く渡航してきた国や地域のうち、すでに観光客の受け入れを再開し、入国時の隔離が必要ないのは米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、アラブ首長国連邦(UAE)、フィリピン、ベトナムなど。シンガポールやマレーシアは4月に観光客の受け入れを再開したばかりだ。ただ、こういった国々は英文での陰性証明やワクチンの接種証明を求めている場合が多い。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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